「雨の日の拾い者」第1話|フランク・ロイド|note

2017年11月17日(金)、夜の公園にて  連日の残業でぼくのマンションの最寄り駅の改札をくぐった時には時刻は十一時半を回っていた。今日は終電2本前。まだ早い方だった。外は霧雨。傘を持っていなかったが、霧雨程度なら徒歩十五分だしそれほど濡れないだろう。  いつもは大通りを抜けていくが、近道の裏道を通っていくことにした。ぼくの住まいは東京の下町。風紀がいいとは言えない。襟を立てて足早に急いだ。  この道の途中には寂れた公園もある。その公園の前を通り過ぎようとした時、公園の中の街路灯から外れたブランコの当たりで何か揉めている気配がした。目を眇めて見ると、会社員のような男性と制服姿の

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