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エレーナ少佐のサドガシマ作戦(30) オキナワへ

エレーナ少佐のサドガシマ作戦(30)
オキナワへ

 ニャーナの母親は、ロシア系ロシア系コレイツィ人(ロシア語の高麗、コリアのロシア語読み)だが、親族は中国にも北朝鮮にも中央アジアにも広がっている。言ってみれば、クルド人(中東のクルディスタンに住むイラン系山岳民族)がトルコ・イラク北部・イラン北西部・シリア北東部等、中東の各国に広くまたがる形で分布して住んでいるように、民族は分裂して朝鮮半島、中国、ロシア、中央アジアに分散している。


 ただ、クルド人と異なり、民族の特性なのか共通の世界宗教を持たないためなのか、一致団結して分離独立をしようとはしない。同民族で反目しあう。血族は団結する。まるで中国人のようだ。日本人とは違う存在だ。


 ニャーナの親族のうち、金という一家が中国満州の吉林省に住んでいたが、家長の商売の都合で浙江省寧波に移住した。そして、金の三女の金容洙は中国人民解放軍海軍に募集し、現在は東海艦隊に所属している。28才だが、中国人民解放军海军士官学校を優秀な成績で卒業、少尉に昇任している。彼女の上官は漢族の楊少校だった。


 楊(ヤン)少校は、中国人民解放軍東海艦隊、先島諸島侵攻作戦の一部、石垣島侵攻を担当していた。