エレーナ少佐のサドガシマ作戦(29) 戦後処理P.3 👈NEW
エレーナ少佐のサドガシマ作戦(29)
戦後処理P.3 👈NEW
目が覚めて起き上がろうとした。したんだけど、後頭部から頭頂部にかけてガンガンした痛みが。ゲェ~、こんなひどい二日酔いは始めてだよぉ~。ソーニャ准尉がサキエ、飲みましょうよとショットグラスでウォッカを注ぐもんだから、彼女のペースで流し込んだのが運の尽きであった。何時なのよ?6時?どうやってこの部屋に来たのか記憶がない。ミノルはまだ寝ている。こいつだって、起きれば頭がハンマーで殴られているような感じになるんだろう。スヴェトラーナとアニータに飲まされていたからなあ。
私は重いスーツケースをなんとか開いて、洗面具と着替えの下着、服を引っ張り出した。もうそれだけでフラフラする。壁に肘があたって痛い。軍艦ってみんな鉄の塊じゃん。どこに当たっても痛い。扉を開けて廊下に出た。左右を見回すが、レジャーセンターじゃあるまいし、案内板があるわけじゃない。
キョロキョロしていたら、通路の角をアニータ少尉が口笛を吹きながら歩いてくるのが見えた。「あら、サキエ、早いわね。オハヨウゴザイマス。シャワーを浴びたいの?」と私が抱えている洗面具などを見てニコニコして言った。彼女も着替えを持っている。ちょうどいい。彼女、あれだけ飲んで涼しい顔をしているわね。ロシア女性は化け物かね?
シャワー室に一緒に向かって歩きながらアニータが「昨日のサキエの話は面白かったわ。ミノルと出会ったその日に初体験なんてクールよね。初めてでそんなに感じて逝っちゃうなんて、サキエ、感度がいいわよ。私なんか初体験ではあまりの痛さに相手を蹴り上げてベッドから突き落としたわ」なんて言う。え?私、そんな話をしたの?
「アニータ、私、そんな話したんだ?覚えてない。”hangover”(二日酔い)で発電機室に閉じ込められている気分だわ」と頭を抑えて言う。
「日本人の約40%の人は、アルコール分解酵素のアルデヒド脱水素酵素2の活性が弱いそうね。約4%の人は不活性型で、この酵素の働きが全くない、お酒を飲めない体質らしい。ゴリラみたいな体格の水陸機動団の広瀬二尉も私たちと飲むと潰れちゃったわ」
「あなたがた欧米人が異常なのよ」フラフラして吐き気がした。
「日本人はバイカル湖の民族が日本列島にたどり着いたって聞いてるけど、おかしいわね、DNAがどこかで変わっちゃったのね」
エレーナ少佐のサドガシマ作戦(29) 戦後処理P.1
●遠藤実と遠藤早紀江、2022年3月
エレーナ少佐のサドガシマ作戦(29) 戦後処理P.2
●佐渡ヶ島へ
●揚陸艦オスリャービャ
アニータ少尉のオキナワ作戦(3)

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