フランク・ロイドのブログ

フランク・ロイドの徒然

ミキと明彦 Ⅴ、●大阪南港 ●大阪のホテルへ

ミキと明彦 Ⅴ
 ●大阪南港
 ●大阪のホテルへ

 私たちは、地下1階のカフェでお茶をした。どこの美術館のカフェでも静謐で落ち着ける。フードコートなんかの騒音がなくっていいよねえ。


 私がママに「ねえ、ママ、迎えに来てくれてありがとう。でも、夜行バスで追いかけてくるなんて・・・」と言うと、「だって、宮部さんもちゃんとした人でしょうけど、フェリーの一室で男女二人でしょ?何があるかわからないし、喧嘩しないとも限らない。だから、もしもの時を思って、迎えに来たのよ。なんにもなかったら、おじゃまでしょうから、帰っちゃおうと思ってね。だって、ミキちゃんは私の妹みたいなもんじゃない?心配でした」


「ママ、白状なさい。そうじゃないでしょ?ママは、私と明彦が同じ部屋で、ああいうことやこういうことや、何したりして、それを想像して、悶々となっちゃって、もしかしたら、明彦と私だったかもしれない、とか思って、葛藤があって、思わずバスに乗っちゃったんでしょ?図星でしょ?」

「・・・」

「図星?ねえ?図星?」

「・・・そうよ・・・その通りだわ・・・」


「そうでしたか。じゃあね、私と明彦、ご想像通り、しちゃいました。何度も」

「あ~あ」

「ハイ、気持ち良かったです。生まれて初めて逝くってこうなんだと思いました」

「・・・ちょっと、悔しい、羨ましい」と私を思いっきり睨んだ。

「そうなんだけどね、ママ、じゃあね、ママもしない?」

「ハァ?」


「え~っとね、フェリー乗り場で私が明彦に耳打ちしたじゃん?その時さ、とっさに悪知恵がわいちゃって、明彦に『明彦の部屋、三人泊まれる?手配しておいてくれる?夕方、私とママがその部屋に直接行って、してもしなくてもいいから、ママが良いって言えば、三人でしよ』と聞いたのよ。彼はわけがわからないみたいで、でも、さっきメッセくれて、三人部屋を取ったということ。ツインのデラックスルームだってさ。さあ、ママ、どうする?」

「ミキちゃん、そんな・・・私、そんな・・・三人!三人?そんな経験ありません!」