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シリーズ『北千住物語』第四章 四話 二人のアマテラス Ⅰ

第四章 卑弥呼 四話 二人のアマテラス Ⅰ


あらすじ


シリーズ『北千住物語』、第三章 巫女、十一話 処女以後の続き


 純子が、部屋の真ん中に立った。「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」と言いながら、一文字ずつ、指の組み方を違えて、左から右へ、上から下へ、という順番で九字を切っていった。目をつぶって、手を握りあわせて、ジッと立っている。数分間ジッとしていた。純子が目を開けて、イチローに聞いた。


「イチローさん、変な音、ラップ音とか、おかしな現象を感じましたか?」
「ええ、昨日の夜も聞こえました。美久さん、タケシさん、カエデさん、丸尾さんと佳子も一緒でした。真夜中に、ラップ音みたいな音と人なんだか声が聞こえて・・・」
「それは部屋のこの方角からですか?」とイチローが油絵を書いている部屋の隅を指差した。窓のある部屋の角だった。純子には昨日の夜の話はしていない。
「そうです、そうです。この部屋の隅のあそこからです」



二人のアマテラス、二枚の八咫鏡
第四章 卑弥呼 四話 二人のアマテラス Ⅰ
 1)純子の訪問
 2)冷や汗
 3)放課後
 4)自衛隊と防衛大学校
 5)美久と純子
 6)九字を切る
第四章 卑弥呼 五話 二人のアマテラス Ⅱ
 7)鬼門と裏鬼門
 8)巫女のお仕事
 9)純子と直子
 10)姫様の口寄せ
 11)処女を失くすの本当の意味
 12)危険な除霊
 13)内結界、五芒星
第四章 卑弥呼 六話 二人のアマテラス Ⅲ
 14)神道と神職、巫女
  (1)天鈿女命の舞
  (2)一神子(いちかみこ)
  (3)巫女禁断令
  (4)淫祠邪教
  (5)口寄せ(くちよせ)
  (6)神社の本坪鈴(ほんつぼすず)の歴史
  (7)鈴の音色には魔除けの力がある
  (8)神楽鈴
  (9)巫女の訓練
  (10)御祭神
第四章 卑弥呼 七話 二人のアマテラス Ⅳ
 15)二人のアマテラス、二枚の八咫鏡


登場人物


紗栄子  :美久の手下、高校2年生、自衛隊に入隊予定。アキラのセフレ、純子の親友
冨澤アキラ:紗栄子のセフレで純子の彼氏、童貞だったが紗栄子と初体験
時任純子 :氷川神社の娘、長女。アキラの彼女、処女だったがアキラと初体験、紗栄子の親友
時任直子 :氷川神社の娘、次女。超常能力では純子よりも上。


後藤順子 :美久の元手下、美久のレディースの後釜の総長、高校3年生
恭子   :身長145センチのチビの小悪魔のレズ、順子の手下、高校2年生
智子   :合法JK、恭子がヤク中にして、売春をさせられる
曽根崎綾子:恭子を呪縛する彼の法の集団の末裔。呪い代行・呪術代行を行う


佳子   :美久の手下、高校2年生
鈴木一朗 :内科医院で佳子に出会い付き合い始める、借りている部屋で超常現象が・・・


兵藤武  :渋谷に実家のある大学1年生。義妹に迫られて一人暮らしを決意、美久の彼氏、童貞
兵藤楓  :武の父親の再婚相手の連れ子、母はCA、兵藤武の義妹、高校2年生、処女
田中美久 :北千住の不動産屋の娘、元レディースの総長、元ヤン。大学1年生、武の彼女、処女
丸尾鉄平 :兵藤武の大学の数学科の同級生。オタクで女性恐怖症。楓はセーフ。武の紹介で楓と付き合う、童貞


吉川公美子:小料理屋分銅屋の女将さん、元物理学科の大学院卒
節子   :美久の手下、高校2年生、分銅屋でアルバイトをする