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奴隷商人 Ⅴ、第31章 ●奴隷商人29、紀元前八千年

奴隷商人 Ⅴ
第31章 ●奴隷商人29、紀元前八千年


 もしも、古代ギリシアの哲学者プラトンが著書『ティマイオス』と『クリティアス』の中で記述した伝説上の島、そこに繁栄したとされる帝国であるアトランティスがあったとしたら、北米大陸の氷湖の決壊によって一瞬の内に海底に沈んだであろう。


 北米には、彗星の破片が広範囲に衝突し、ブリヤート人を祖先に持つアメリカ先住民の部族が形作った石器文化をも壊滅させた。


 衝突により巻き起こった粉塵は大気をおおい、その頃、現代よりも8℃ほど低かった地球平均気温をさらに7.7℃低下させた。最終氷期のヴュルム氷期と同じ気候が起こったのである。

 地球が粉塵で覆われる暗い状態は十数年続いた。12,785年前から11,600年前まで1,200年間続くヤンガードリアス期の始まりであった。


 地球の寒冷化は、彗星の衝突範囲から考えると大西洋沿岸の方が太平洋沿岸よりもひどかった。しかし、太平洋沿岸も少なからず急激に寒冷化した。


 やがて、1,200年間続いたヤンガードリアス期が終わり、クローヴィス彗星の影響を脱した地球は、間氷期の温暖化に移っていった。そして、1万年前に純粋知性体たちが再び地球に飛来した。


 アルファの優れた演算能力は、1万年前のその時点だけではなく、1万年後もその先も地球環境をシミュレートできた。エジプトの地形もそうだ。そして、1万年前の海水面から、数十メートル海面が上昇する未来も見て取れた。

奴隷商人 Ⅴ、第31章 ●奴隷商人29、紀元前八千年 に続く。

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