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フランク・ロイドの徒然

奴隷商人 Ⅵ、第35章 ●奴隷商人33、紀元前46年

奴隷商人 Ⅵ
第35章 ●奴隷商人33、紀元前46年

 後部甲板下のキッチンに降りた。早番の料理係が小麦粉を既に挽いていて、パスタを延ばしている。久しぶりのフレッシュパスタだ。料理番に「ムスカがイカとカラス貝を取ってきたと思うけど?」と聞くと、大きな籠にイカが数十匹置いてあった。カラス貝も山盛り、壺にある。漁師の息子は伊達じゃないんだね。侍女も起きてきたので、手伝わせて、キャビンの人間用のパスタとアクアパッツァ、レタス、ブドウ、イチジクのサラダを作って、キャビンに運ばせた。残りのイカとカラス貝は、船員と奴隷女用に料理係が作るのだ。


 船長室で、ムラー様、エミー様、ソフィア、ジュリアと朝食を食べた。


 ソフィアが「残したギリシャ女とアラブ女、アレキサンドリアで仕入れたエジプト女、仲良くやってますよ。でも、言葉が通じない。エジプト女はコプト語しか喋れません。ラテン語とフェニキア語を教えないと」と旦那様に報告した。


 頭シラミがいっぱいなんで、甲板でシャワーを浴びせて、着てきた服はみんな捨てさせました。シラミ取りシャンプーは効きますね。シラミが増えちゃかなわない。シラミもいなくなったので、ショートボブのおカッパ頭は止めさせます。長髪の黒髪の方が男は喜びますものね。みんな健康で、性病はありません。

 海賊どもは彼女たちをやる順番を守ってます。ジャンケンポンってなんですか?エジプト女どもは乱暴されると思っていたら、優しくされてるので戸惑ってますよ。北風と太陽、付け上がらない程度の優しくすれば、奴隷女の価値もあがるってもんです。ピティアスが買った値段の二倍で売れるでしょう、などと説明した。未来の小説じゃあ、こんな細かいこと書かないわね。奴隷管理って、細かいことまで目配りするのだ。


 ムラー様に昨日のムスカの話をした。ムラー様は興味を持たれた。俺もピティアスも陸へ上がった河童だからな。砂漠縦断などわからん。朝食の後ムスカがここへ来るんだな?いいだろう、と言う。彼にキスしました!と言ったら、ムラー様が、お前から?珍しい。なんだ、惚れたのか?と聞かれた。なんとなくしました、わかりません、と答えておいた。ジュリアが、ムスカってあのガタイのいい新入りの若いやつ?と聞く。頷くと、あれはよさそうだよ、手が出せないのが惜しいね、と言う。まあ、ここにいる四人と侍女四人はお手つきダメだからね。

奴隷商人 Ⅵ第35章 ●奴隷商人33、紀元前46年 に続く。

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奴隷商人 Ⅴ