フランク・ロイドのブログ

フランク・ロイドの徒然

奴隷商人 Ⅶ、第41章 ●奴隷商人39、紀元前46年

奴隷商人 Ⅶ
第41章 ●奴隷商人39、紀元前46年


●絵美とアイリス
 小さい方のテントをのぞいてみた。絵美様とアイリス様だけがいた。毛布が川の字に並べられている。ああ、今日は彼女たちとアルシノエがこっちで寝るのかしら?と思って別のテントに行こうとしたら、絵美様が「マンディーサ、何処へ行くの?入ってらっしゃい」と言う。「ハ、ハイ」


「今晩は、あなた様方とアルシノエと三人でこちらで寝られるんだな、と思いまして」と言い訳した。アルシノエ!嫌いだよ、あの子!もちろん、一緒のテントでなんて彼女と寝たくない!ソフィア様、ジュリア様とは順番だけど、女奴隷・娼婦テントの方がアルシノエと一緒のテントよりも良い。


「何を言ってるの、マンディーサ?もちろん、今晩、あなたは、私とアイリスと一緒に寝るのよ。アルシノエには、他の女奴隷や娼婦たちのことも知りなさい、と言って大きなテントに追い出したわ。ソフィアとジュリアには、マンディーサに私とアイリスから話があると言って、向こうのテントに寝てもらったの。さ、ここに横になりなさい」と絵美様が、自分とアイリス様の間の毛布を指さした。な、なんなの?男断ちはしたけど、女断ちはしてない。絵美様とアイリス様にもてあそばれるのかしら?ハレムの人間じゃないので、システムがわからないや。


「あのぉ、絵美様、服は全部脱ぐんでしょうか?それとも、腰布と胸帯だけですか?下着は取り替えたほうがいいんですか?汗臭いんですけど、構いませんか?・・・あのぉ、私、男としかやった経験がないんです・・・どうやるのか、お教えいただければ、喜んでお相手いたします・・・」わからないんだから。聞くしかないよね?


「ねえ、アイリス、この子、何を言っているの?」
「あ~、これはですね、私たちがこの子をレズの相手にすると勘違いしていると思いますよ。天然のボケじゃないですか?」
「ああ、そういうこと。男断ちして、2日しか経っていないのにもう溜まっちゃったの?したいなら、してあげましょうか?」
「絵美、あなたも天然のボケですよね?この子、娼婦の経験しかないから、上の者から求められれば、そうするもんだと思っちゃうんですよ」
「なるほど。そういうことか。わかった」


 この二人、なんの話をしてるんだろう?「あの、絵美様、アイリス様、私とセックスするんじゃないんですか?だって、アルシノエを追い出して、ソフィア様とジュリア様も大テントに行かせて、三人だけでしょ?てっきり、ハレムでは女同士でセックスする時はそうするもんだと思いました」と聞いた。


「あらあら、『マンディーサに私とアイリスから話がある』と言ったじゃない。あなたとお話したいのよ。服なら、シャツとパンツは脱いじゃって、腰布と胸帯だけでいいわよ。私もアイリスもそうなんだから」確かに二人とも腰布と胸帯だけだ。「ほら、脱いじゃって、私とアイリスの間に寝っ転がりなさいよ。ガールズトークをするのよ、これから」ガールズトーク??


 改めてそう言われると恥ずかしくなったが、脱いで腰布と胸帯だけになった。「し、失礼します」と言って寝転がったが、二人とも顔が近い。どっちを向けばいいんだろう?毛布に潜り込んでもいいんだろうか?


「さっきね、面白いものを見たのよ」と絵美様が私を見て言う。顔が近いなあ。息がかかる。


「アイリスと夕食の食器を片付けに外に行ったの。砂丘の方に残飯を捨てに行って、戻る途中で、男の子と女の子が焚き火の側に座ってお話をしているのを見たの。男の子が『明日はベルベル人の盗賊がよく出没する場所を通るから、お前は海賊と腕の立つ娼婦女を2、3人連れて、斥候に出てくれ』って女の子にこう言って話しかけてた。私、アイリスの袖をつかんで、二人で物陰に隠れて盗み聞きしたのよ」それ、私とムスカじゃん。


「それ、私と・・・」


「マンディーサ、いいから黙って聞いて。それでね、男の子が『話はそれだけだ』って立ち去ろうとしたら、女の子がちょっと言い淀んで彼に『・・・あ、あのさ、酒、あるか?』って言うのよ。これ、あなたとお酒飲みたいわ、って言っているみたいなものでしょ?」と絵美様。


第41章 ●奴隷商人39、紀元前46年 に続く。

シリーズ『奴隷商人』

奴隷商人 Ⅰ



奴隷商人 Ⅱ



奴隷商人 Ⅲ



奴隷商人 Ⅳ



奴隷商人 Ⅴ



奴隷商人 Ⅵ