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フランク・ロイドの徒然

奴隷商人 Ⅶ、第42章 ●奴隷商人40、紀元前46年

奴隷商人 Ⅶ
第42章 ●奴隷商人40、紀元前46年

●斥候


 ふぇ~、絵美様はとんでもないイメージを私に見せるし、アイリス様は私をいたぶって犯し続ける。ヘロヘロになった。眠い。女同士はキリがない。出して終わりじゃないんだもの。彼女たちで、あれだけスゴイなら、もしも、ムラー様に抱かれたらどうなるんだろう?いやいや、ムスカ以外の男とはしない・・・まだ、キスしてオッパイを揉まれただけだった・・・だけど、見ちゃったな、ムスカが見たようなものを私も。


 斥候に出ないといけない。結局、一睡もできないで、一時半にテントを出た。全員の出発が四時だから、二時半には先行して出発しないと。テントを出る時、絵美様が、あら、斥候だったの?大変ね、私たちはちょっと眠れるわね、アイリス?と言う。血も涙もない。知性体なんてこんなものなんだろう。突発事態が起こって、私たちに急いで連絡したい時は、私かアイリスのことを考えて、念じるのよ、と言う。なんのこと?


 テントを出て数歩歩いた。手を引っ張られる。ムスカだった。ちょっと、起きてたの?ビックリした。女奴隷たちの大テントの陰に腕を引かれて連れて行かれる。


「見せたいものがある。持っていってくれ。ムラー様たちがタップ・オシリス・マグナ神殿の王室の武器庫から盗んできたものだ。ナイトスコープというものだ。夜でも物が見えるんだ」と言って、おかしな機械を渡された。このスイッチを入れて覗くんだそうだ。


「あら?焚き火が緑に見える。寝ている海賊たちもぼやっと見える。ラクダも」ボォ~っと見えないはずのものが見えた。温度が高い物体が見えるんだそうだ。これなら、ベルベル人の盗賊団がいれば、夜でも見張れる。

「ああ、まだ海岸線からそれほど離れていない。盗賊団がいるかもしれない。気をつけるんだぞ、マンディーサ。何かあったら逃げ戻って報告するんだよ。じゃあ、俺はこれで」と行ってしまいそうになった。


 絵美様とアイリス様が変なことを言うもんだから、彼が気になる。ドキドキする。「あのさ・・・昨日の夜のキス、金貨一枚って、普通、抱いたら銀貨一枚なのに、ちょっと高いじゃない?お釣りがあるけど、細かいお金がないから、これでお釣りってことで・・・」


 キス代が高いって言い訳なんだから、いいでしょ?背の高い彼に伸び上がって口を合わせた。背中に手を回されて、抱きしめられる。ドキドキする。いやいや、お釣りよ、お釣り。商売よ。アン、彼の舌に自分から絡ませちゃったじゃない。舌を吸われちゃって。商売女はキスはダメなんだよね。アン、ダメ。押し付けられた彼のあそこが固くなるのがわかったので、ちょっと満足した。


 彼を押し戻してた。行かないと。「お釣りだからね、お釣りだよ、勘違いしないで!」と言った。頬をさすられて「気をつけるんだぞ、出発の四時までには戻ってこいよ」と言って、男どもの寝ている焚き火の方に戻っていく。私は、なめし革のショルダーバックにムスカの渡してくれた赤外線スコープを詰め込んだ。


 彼の後ろ姿を見ていたら、肩を叩かれた。うぁ!振り向くと、昨日金貨百枚もらえるんだからもう銀貨一枚で体を売る必要もないよ、と言っていた年嵩の娼婦だ。一緒に斥候に出て頂戴とお願いしたのだ。20才(古代エジプトでは年増の部類)で名前をキキと言った。


「マンディーサはムスカと仲が悪いと思ってたんだけどね」あ!見られた!「お熱いじゃない?あんたら、できちゃったの?」

「ムスカが強引にキスするから押し戻したんだよ」

「ふ~ん、マンディーサが背伸びしてムスカにキスしていたように見えたけど、気のせいかな?」

「そうよ。いけ好かないムスカに私がキスするわけないでしょ!」

「そういうことにしておこう。ジャバリがコーヒーを淹れてパンを焼いてくれてるよ」



第42章 ●奴隷商人40、紀元前46年 に続く。

シリーズ『奴隷商人』


奴隷商人 Ⅰ



奴隷商人 Ⅱ



奴隷商人 Ⅲ



奴隷商人 Ⅳ



奴隷商人 Ⅴ



奴隷商人 Ⅵ