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奴隷商人 Ⅷ、第45章 ●奴隷商人43、紀元前46年

奴隷商人 Ⅷ
第45章 ●奴隷商人43、紀元前46年

●クレオパトラの狙い


 ベルベル人盗賊団の一人を生きて捕まえた。他は皆殺しにした。なぜ、こいつらはアヌビスとホルスのお先棒を担いでいたのか、頭を鷲掴みにして意識を探った。


ギザのピラミッド近くのエジプト王国の行政事務所が見えた。王国の行政官がベルベル人たちを集めて指示していた。(いいか?これが似顔絵だ。写して手下どもにくばれ。エジプト王国が探しているのは、1)イシス、16才、2)アイリス、17才、3)ペトラ、18才、この3人の小娘だ。イシスは最近王宮の近くで誘拐された。アイリスとペトラは3年前にカルナック神殿から誘拐された。お前らの別の部族か海賊どもが拐ったと思われる。砂漠を横断しているような怪しいキャラバンがいれば襲って、小娘がいないかどうか、調べろ。お前らにはアヌビス様とホルス様を同道させる)

イシス、紀元前46年


 意外だった。てっきり、タップ・オシリス・マグナ神殿の秘密の王室武器庫の襲撃事件の捜索だとばかり思っていた。エジプト王国の狙いは、イシス、アイリス、ペトラの王族の娘たちだった。彼女らを取り戻したいクレオパトラ7世の強い意志なのだろう。


 特にイシス。


 両性具有のクレオパトラは、イシスを彼女の男根で犯した。思念をイシスに精子みたいに注入した。お手々つなぎよりずっと手っ取り早く、粘膜接触による悪意の思念注入。


 もしもの時にイシスを7世の身代わりにしたてようと思ったんだろう。それで、イシスを何度か犯した。思念注入だけじゃなくて、慰み者にして自分の喜びのために。


 幸いムラーがイシスを犯して、クレオパトラと同じ方法でクレオパトラの悪しき思念を彼が吸い取った。(幸い?16才の娘を犯して幸い?あ~、古代世界は腑に落ちないわよ!高校1年生よ!)


 アイリスが言うには、イシスは、異母妹のアイリスよりもずっとクレオパトラ7世に似ているという。衣装と化粧を同じにすれば、見間違いをするほどなのだそうだ。そうであれば、クレオパトラに何かあっても、純粋知性体プローブをイシスに転移できれば、クレオパトラ7世の体が破壊されても、イシスがクレオパトラ7世と偽るか、クレオパトラ8世として女王になればいいのだ。


 さらに、アイリスだ。彼女は、偶然にもクレオパトラ6世の臨終の際に同席していて、純粋知性体プローブの断片を受け取ってしまった。7世に欠けているプローブの一部をアイリスが持っている可能性がある。もしも、7世がアイリスを吸収すれば、自分に欠けているかもしれないプローブの断片が手に入る。それで、彼女は完全体のプローブになれる、そう考えてもおかしくないだろう。


 ペトラは、フェニキアの農園に置いてきた。ムラーは漁師のペテロに嫁がせるつもりなのだ。ペトラは大丈夫だろう。一度、農園がアヌビスに襲撃されたとは言え、その目的は大スフィンクスの場所が書かれたパピルス文書だったから、ペトラ・アイリス姉妹が農園にいたことをクレオパトラは知るまい。


 アイリスはここにいるからまだいい。守れる。ペトラは心配しないでいいだろう。しかし、アフロダイテ号に残したイシスは・・・

第45章 ●奴隷商人43、紀元前46年 に続く。

シリーズ『奴隷商人』 

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奴隷商人 Ⅱ



奴隷商人 Ⅲ



奴隷商人 Ⅳ



奴隷商人 Ⅴ



奴隷商人 Ⅵ



奴隷商人 Ⅶ