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奴隷商人 Ⅷ、第46章 ●奴隷商人44、紀元前46年

奴隷商人 Ⅷ
第46章 ●奴隷商人44、紀元前46年

 飛んでいったらあっという間だった。砂漠、土漠上空を十数分飛んで、地中海の海岸線に出た。アレキサンドリア寄りの私たちの船が停泊している小さな漁村に着いた。二千メートルから徐々に高度を落としていく。


 アフロダイテ号とアルテミス号の甲板が見えた。ムラーの指示通り、漁港から少し離れた沖合に停泊している。だが、数隻の小型船舶が横付けされている。小型船舶の中には私たちの船から離れていくものもあった。様子がおかしい。


 アフロダイテ号のマストに降り立った。体重の軽い私だが、ドスンと落ちたので船が横揺れする。甲板の人間が私を見た。甲板では、ピティアスの手下の海賊共と切り合っているヤツラがいた。ナルセス、アブドゥラ、パシレイオスの宦官三人組が半月刀を振り回していた。マストのテッペンから彼らの横の甲板に飛び降りた。


 アブドゥラが「エミー様、あなた、飛べるんですか?」と驚いた顔で言う。私だって、昨日まで飛べるとは思わなかったよ。

第46章 ●奴隷商人44、紀元前46年 に続く。

シリーズ『奴隷商人』 

奴隷商人 Ⅰ



奴隷商人 Ⅱ



奴隷商人 Ⅲ



奴隷商人 Ⅳ



奴隷商人 Ⅴ



奴隷商人 Ⅵ



奴隷商人 Ⅶ