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フランク・ロイドの徒然

奴隷商人とその時代 Ⅴ

奴隷商人とその時代 Ⅴ

奴隷商人とその時代 Ⅴ
●奴隷の相場、娼婦の相場

 1アウレウス金貨      =約5万円

=25デナリウス銀貨     =約2千円

=100セステルティウス青銅貨 =約20円

=400アス銅貨        =約5銭

これで相場を考えてきましたが、計算式が間違い。

 1アウレウス金貨     約5万円、デナリウス銀貨25枚


 1デナリウス銀貨     1デナリウス銀貨=2千円

=4セステルティウス青銅貨 1セステルティウス青銅貨=約500円

=16アス銅貨         1アス銅貨=約125円

です。訂正します。


紀元1年の奴隷の値段は、

○普通の奴隷  :500~1,500デナリウス銀貨、20~60アウレウス金貨、

 約100~300万円

○葡萄園の熟練者:2,000デナリウス銀貨、80アウレウス金貨、

 約400万円

○きれいな女性 :2,000~6,000デナリウス銀貨、80~240アウレウス金貨、

 約400~1,200万円

○歌の上手な女性:4,000デナリウス銀貨、160アウレウス金貨、

 約800万円

という記録がある。このころのローマ帝国の人口は5,400万人で、そのうち3分の1が奴隷だった(半分以上と見積もる人もいる)1デナリウス=銀3.9 g。当時のローマの庶民の年収は、500~1,000デナリウス、約100~200万円。


 軽トラックから高級乗用車の値段だったということ。しかし、車の場合は、なんらかの希少価値でもつかない限り、新車の時が一番値段が高い。しかし、奴隷は、躾け、訓練、体磨きで値段が上がっていく。

※【砂漠行8日目】 200キロ

 ムラー様が、ウチの女奴隷は売り先が決まってるんでダメだ(まさかクレオパトラとの戦闘で使うとは言えない)が、若い男女は買おうと言う。村の長(おさ)が、各家族に言って、50人ほどの12~18才くらいの子たちを連れてきた。

 絵美様とアイリスが頭をなでるふりをして、意識を読んでいる。利発で性格の良い子を選んだのだろう。二人が相談して、子供たちを選別した。女の子8人、男の子10人。ラクダを9頭。

 ムラー様が、ラクダ込みで金貨54枚でどうだ?と言う。村の長(おさ)が、旦那、それは殺生だ、100枚はいただかないとと言う。だいたい、相場の4分の3と相場の3分の4から初めるみたい。お互い上げて下げて、75枚に落着。

 一人平均約金貨4.2枚(銀貨105枚)、21万円。これが流れ流れて、アレキサンドリアやフェニキアでは、一人金貨10~30枚になっていくんだろう。ローマの貨幣が流通したから、奴隷商売も活発になったわけだ。物々交換なんてしてたら、支払いに困る。

 アレキサンドリアから百数十キロのオアシスの村で買った、躾も訓練も何もしていない12~18才くらいの子供たちの原価(売値)が平均約金貨4.2枚(銀貨105枚)、21万円。

※【砂漠行11日目】 200+90キロ

 ジュリアとソフィアが浴槽をのぞいている。「やることが派手ですね。でも、みんな喜ぶでしょう。セックスしても水が浴びられるんですもの」とジュリア。「じゃあ、ベルベル人の女の子たちに避妊薬の『シルフィウム』を飲ませておきましょう。媚薬の効果もあるので、処女の子も感じるかもしれません」

「処女は何人?」とジュリアに聞いた。

「4人が処女です。経験済みの子は、父親や兄弟とやってます。ああいう閉鎖的な村にはありがちですね。早い子だと12才くらいで誰の子かわからない赤ん坊を産むそうです。あまり感心しませんね。旦那様も言うように、12才以下の子はセックスさせてはいけません。15才以下の子が妊娠するのもよくないですね。不幸になる子が多いです。男の子も半分は童貞です。包茎や半包茎もいたので皮を剥いておきました。不潔になりますから」

「奴隷頭ってやることが多いのねえ。包茎や半包茎の皮剥きまでするなんて」

「白いカスの恥垢(ちこう)が溜まると臭います。性病にもかかりやすいんです」

「ねえ、ジュリア、男の子もやられちゃうの?どうやるんでしょ?」

「宦官のアブドゥラとパシレイオスに指導は任せてます。彼らの専門ですから」

「確かに!」

「アブドゥラが言うには、やられる時の前は節食して水分はあまり補給しないんです。それで浣腸をします」

「古代ローマに浣腸?」

「ハイ、薄い食塩水のぬるま湯を作って、注射器で肛門から入れて洗浄します。それでする時は一番搾りのオーリーブオイルをよく塗ってから挿入します」

「ジュリア、よく知っているわね?経験があるの?」

「・・・あの・・・アブドゥラに前からやられて・・・パシレイオスに後ろから犯されたことが何回か・・・」

 こうして、体を磨いたり、房中術を教えこんだり、肛門性交オッケーの若い男の子の奴隷に仕立て上げたり、玉なし竿ありの宦官兼執事に教育したりすると、アレキサンドリアやフェニキアでは、一人金貨10~30枚、上物は金貨200枚にもなっていく。


 さて、庶民の一般的な物価だが、

○パン   :2アス(1人1日分)、約250円

○小麦   :1モディウス(6.3 kg)で12アス、約1,500円

○オリーブ油:1リブラ(328 g)で4アス、約500円

○公衆浴場 :1/4アス、約33円

○ワイン1 :1アス、約125円、廉価品1杯

○ワイン2 :2アス、約250円、上物1杯

○ワイン3 :4アス、約500円、ファレルヌス産のワイン1杯

○銀のこし器:90デナリウス(1,440アス)、約18万円

○奴隷   :2人で1,262デナリウス(20,192アス)、約252.4万円

○ラバ(雄):130デナリウス(2,080アス)、約26万円

○娼婦1  :2アス、約250円

○娼婦2  :8アス、約1,000円

 売春が安い!廉価版ワイン2杯で1発!

奴隷商人とその時代 Ⅴ に続く。

奴隷商人 Ⅰ

奴隷商人 Ⅱ



奴隷商人 Ⅲ



奴隷商人 Ⅳ



奴隷商人 Ⅴ



奴隷商人 Ⅵ

奴隷商人 Ⅶ

奴隷商人 Ⅷ

奴隷商人 Ⅸ

奴隷商人 Ⅹ

奴隷商人とその時代

奴隷商人とその時代 (続き)

シリーズ『奴隷商人』