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フランク・ロイドの徒然

なぜ人は若い頃に聞いた音楽を好むのか?

なぜ人は若い頃に聞いた音楽を好むのか?


人は若い頃に聞いていた音楽を好む傾向があり、最近の曲を聞いても「自分が10代の頃はもっといい曲であふれていた」と感じる人もいます。一体なぜ、人は自分が若かった頃の音楽を好むのかについて、「音楽と記憶の関連」に着目した研究結果が発表されています。


学生時代に流行していた曲を聞くと当時のことを思い出すという人は多く、音楽が記憶と密接に関係していることは多くの人々が実感しています。「有名人が思い出の曲を過去のエピソードと共に披露する」といったTV・ラジオ番組が多くの国で放送されているほか、認知症の患者に懐かしい音楽を聞かせる音楽療法なども広く行われています。


人は過去の記憶を均一に記憶しているわけではなく、心理学の分野で行われてきた過去の研究から、人は10~30歳頃に自らが経験した「自伝的記憶」を他の期間よりも強く記憶していることが示されているとのこと。若い頃の自伝的記憶をよく覚えている理論的説明としては、「この時期に目新しくて自己定義につながる経験をする場合が多いから」「体内のホルモン分泌量の変化が影響するから」といったものがあるそうです。


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被験者が思春期だった時期にヒットした音楽はより親しみやすいと評価されるだけでなく、より多くの自伝的記憶と関連していることがわかりました。この傾向は被験者の年齢にかかわらず全体的に見られたそうで、特に被験者が14歳頃にヒットした音楽が最も多くの自伝的記憶を呼び起こしたとのこと。


一方、「曲の好き嫌い」という点に着目すると、40歳以上の人々は思春期の頃に流行した曲を好む傾向が見られたものの、18~40歳の人々は同じ傾向を示さなかったそうで、思春期の頃に流行した曲よりも生まれる前に流行した曲を好む被験者もいました。


これは、「たとえその曲が好きでなくても、思春期の頃に流行した曲が自伝的記憶と密接に絡みつく」という可能性を示唆しています。思春期には学生生活や友人との交流、卒業といった記憶に残りやすい記憶が多いため、その時期に聞いた曲を記憶と結びつけやすい可能性があると研究チームは考えています。


なお、今回の研究では一部の曲が世代を超えて愛されていることも判明。イーグルスの「ホテル・カリフォルニア 」やグロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」など、1970年代後半~1980年代初頭にかけて流行したポップソングは、年齢に関係なく好きな人が多かったとのことです。


フランク・ロイドの随筆 Essay、バックデータ


Keith Jarett、The Köln Concert
◯ 01 Part I 1

◯ 02 Part II A

◯ 03 Part II B

◯ 04 Part II C


金曜日の朝のαとωのクラシックⅦ