フランク・ロイドのブログ

フランク・ロイドの徒然

#地磁気逆転 Ⅲ ー 地球の磁場が2億年周期で弱まっている理論の新しい証拠が見つかる

まず「#地磁気逆転 Ⅰ ー 4万2000年前の地磁気逆転が地球環境を大きく変化させた」で、※以下の注にもかいた通り、


原文では地磁気逆転と書いてあるが、これは完全な反転ではなく、以前の極の位置から最大45°の極方位の変化を伴う地磁気の強度変化(地磁気の減衰)だ。『ラシャンプ地磁気エクスカーション』は、旧石器時代に起こり、地磁気極が北極付近と北緯45度以南4地域の間を短期間に何度も行き来した現象。エクスカーションは約42,000年前と39,000年前の2度起こった。どちらも宇宙線の大幅増加を伴っていた」である。完全な地磁気の反転を伴う現象ではない。数十万年続く長期間の地磁気逆転ではない。

さて、
地球の磁場が2億年周期で弱まっている理論の新しい証拠が見つかる

What Will Happen When Earth's North And South Pole Flip?


What Will Happen When Earth's North And South Pole Flip?

地球は磁場を持っていますが、それは永久磁石のように安定してはいません。一部の研究では、地球の磁場には周期的な変化があり、それが磁性反転の原因になっていると主張されていました。


英国リバプール大学の新しい研究は、スコットランド東部の古代溶岩流の調査から、そんな地球磁場の周期性に関する新しい証拠を発見したと報告。今回の報告は、地球の磁場は、約2億年周期で大きく弱まるという理論を支持しています。


この研究の詳細は、今月に科学雑誌『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』へ掲載されています。

周期的に弱まる地球磁場

地球の磁場には周期があり、約2億年ごとに弱まっているという理論は、2012年にリパブール大学が手動した研究によって提案されたアイデアです。


地球のコアは鉄とニッケルでできていますが、このコアは固体の内核(下図赤色のLiquid Inner Core)と液化した外核(下図橙色のLiquid Outer Core)に分かれており、外核の対流が地球の磁場を発生させています。この外核の対流はそれより上層のマントルの影響を受けるため、地球磁場は確率的に変動する可能性があります。

地質学などの調査から、地球の古地磁気は何度も大きく変動していたことがわかっており、その中にはS極とN極が入れ替わる磁性反転(地磁気逆転)も含まれています。


この古地磁気の記録には、ある程度周期性が確認されていて、それが2億年ごとに地球磁場は弱くなるという理論につながっているのです。


ただ、この理論は完璧なものではありませんでした。

その理由の1つが、約3億年以上前の磁場に関しては、信頼できるデータがないということです。このデータ上のギャップを埋めるのが今回の研究です。


研究チームは、スコットランド東部の古代の溶岩流のサンプルから、リパブール大学が持つ固有の技術であるマイクロ波古地磁気分析を行い、信頼できるデータの存在しなかった、重要な期間の地磁気の強さを測定したのです。


また、過去約80年間に収集された、2億年前から5億年前のサンプルすべてにおいても、測定値の信頼性を分析しました。


その結果、3億3200万年前から4億1600万年前の間に、岩石に保存されていた地磁気の強さは、現在の4分の1未満であったことが明らかとなったのです。


これは以前の調査で見つかっていた、約1億2000万年前に起きた磁場の低下と同様の状況でした。


研究者はこの期間を「古生代中期の双極子低下(the Mid-Palaeozoic Dipole low:MPDL)」と名付けています。

弱い磁場は磁極を反転させている?

地球の磁場の果たすもっとも大きな役割は、太陽の強力な放射から地上を保護することです。磁場が弱まれば、地上は有害な太陽放射をもろに受け、生命に影響を及ぼします。

最近の研究では、デボン紀-石炭紀境界(約3億5900万年前)の大量絶滅は、紫外線レベルの急激な上昇が関連していることが示されていますが、これは今回測定されたMPDLのもっとも弱い磁場測定の時期と一致しています。


磁場の強度が大きく低下した場合、磁極が迷走し、完全に極が反転を起こす可能性があると研究者は語ります。こうした磁場の変動は、地球深部の内部プロセスに関連していますが、将来的な変動を予想する手がかりは不足しています。そのため磁場の変動の周期性を示す証拠が見つかるということは、非常に重要なことです。

今回の研究結果は、約2億年という長いサイクルで地球磁場がの強さが変化していることを裏付けています


このような長いサイクルで起きる地球内部の変化を示す情報は、プレートテクトニクスの活動により絶えず破壊されてしまうため、非常に価値のあるものです。


弱い磁場が磁極の反転に関連しているという予想はありましたが、それを示す証拠は3億年以上前であるため、記録を発見することはこれまで難しいものでした。


今回の発見はそうした、磁場の強度低下が磁性反転と関連していたことを示す重要な証拠ともなっています。


研究者によると、溶岩流から見つかった包括的な磁気分析では、現在は地磁気が安定している期間(スーパークロン)にあり、今後約5000万年間磁極が反転するようなイベントはないだろうといいます。


気候変動など、地球は今変革のときを迎えているような雰囲気が漂っていて、大量絶滅が起きるのか? と不安な気持ちにさせられますが、少なくとも磁性反転はしばらく起きる心配をしなくていいかもしれません。

「磁性反転はしばらく起きる心配をしなくていい」とは言えませんね?

「少なくとも磁性反転はしばらく起きる心配をしなくていいかもしれません」は今回の研究発表で、二億年のという長いサイクルで地球磁場がの強さが変化しているという話を受けてのことですが、実際に、
#地磁気逆転 Ⅰ ー 4万2000年前の地磁気逆転が地球環境を大きく変化させた - フランク・ロイドのブログ
にあるように、地磁気は最近弱まっていること、たった四万二千年前に磁場の北極と南極が磁性反転(地磁気逆転)を起こしていること、それが百年という短い時間で起こったことを考えると、「磁性反転はしばらく起きる心配をしなくていい」とは言えませんね?