エレーナ少佐のサドガシマ作戦(27) 北、佐渡上陸 Ⅲ
エレーナ少佐のサドガシマ作戦(27)
北、佐渡上陸 Ⅲ
●敵中突破
佐々木があわてて、伍長を抱え、「卜井さん!カテリーナが撃たれた!手当して!」と後ろに送り込む。ソーニャは左右に車輌を蛇行させて銃撃を回避させている。
佐々木は上を見上げた。PKPはそのままだ。「准尉!引き金を引けば撃てるんでしょ?これ?」と佐々木。
「佐々木さん!何をするの!」とソーニャ。
●「私が撃つのよ!」
「私が撃つのよ!」佐々木が吠えた!
「ダメ、佐々木さん!ルーフから頭を出しちゃダメ!」
「ソーニャ准尉、私が奴らを撃ってやる!このど畜生どもめが!」
装甲車の機銃手が少尉の後ろのバイクを撃った。アナスタシアがスライディングバックターンをして、そのバイクに駆け寄った。機銃手はアナスタシアも銃撃した。くそったれめが!
佐々木は夢中で引き金を引き続けた。偶然にも装甲車の強化プレキシグラスに佐々木の弾丸が続けて命中した。弾丸は運転手の顔を粉砕した。装甲車は横転し、海岸に横滑りで落ちていく。ソーニャ准尉が停車した。
助手席から佐々木がとび降りる。アナスタシアに駆け寄ると小柄な彼女を抱き上げて、車に駆け戻り、タイフーンの後部ドアを蹴りまくる。
「開けて!さっさと開けろ!アニーが死んじゃう!アニーが死んじゃう!」
衛生兵ももう一人のバイクの兵士を抱えてきた。後部ドアが開き、佐々木がアニーを車内に運び入れる。衛生兵も車内に入った。佐々木は助手席に飛び乗った。
「卜井さん、お願い!アニーをみて!」と後部を振り返って叫んだ。「准尉、准尉、ソーニャ、急いで!急ぐのよ!」
「よし、行くぞ!」とソーニャはアクセルを踏み込んだ。
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