薫と明彦、エピソード Ⅰ
薫と明彦、エピソード Ⅰ
「妾腹の子供なのよ、私」
「ショウフク?」
「妾(めかけ)の子供!」
「だから、カオルの兄貴とは名字が違うのか。なるほど」
「だからねぇ、明彦、早くここはお勘定して、私と寝ようよ」
「ぼくは同級生の異父妹とこれから寝るのか?」
「イフマイ?」
「父親の異なる妹」
「そう、それそれ、それと寝るのよ、明彦は、これから」
「わかったよ、わかりました、喜んでカオルと寝ますよ、ぼくは」
「そぉこなくっちゃぁ」
「あっけらかんとしているね、カオルは」
「面倒くさい理屈が男と女の間にいると思う?」
「それにしてはスピードが速すぎるとぼくは思う」
「まぁいいじゃない、これも何かの縁よ」
「縁なのかなあ・・・で、どこでぼくらは寝るんだ?石川町の向こう側のラブホじゃイヤだよ。ニューグランドは歩かないといけないし・・・ホリデイインにしよう」
「あら、ラブホでもいいことよ、私は」
「ラブホ、嫌いなんだよ」
「好きにして良いわ、どこでもいいわよ、明彦と寝られるのなら・・・」
「やれやれ・・・」
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