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エレーナ少佐のサドガシマ作戦(22) アナスタシア少尉

エレーナ少佐のサドガシマ作戦(22) アナスタシア少尉

エレーナ少佐のサドガシマ作戦(22)
アナスタシア少尉 ピックアップ

●アナスタシア少尉、S-4001号指揮通信車


「これで一巻の終わりか」と羽生がつぶやく。「あと残り1発なのになあ。砲身が焼け切れるなんて・・・」

「羽生中佐、まだ手はあるはずです」とアナスタシア少尉。

「何が考えられるんだね?」


 アニー、考えろ。考えろ。何か忘れているぞ。考えろ、と自分の頭を叩いた。ロシアの滑空ミサイルYu-71をパクった中国のWu-14のコピーがこの北朝鮮の滑空ミサイルだとすると・・・もしかすると・・・


 アニーは、砲身が焼け切れたレールガン車輌から駆けだした。「アニー、どこに行くんだ?」と羽生が怒鳴る。「S-400を管制する指揮通信車です!1号車です!まだ手があるかもしれません!」「なんだと?」と羽生もアニーを追いかける。


 アニーは通信車の電源を入れた。パソコンを立ち上げる。中佐も通信車のモニターを調整した。滑空ミサイルがモニターにプロップされた。


「ロシアの滑空ミサイルYu-71をパクった中国のWu-14のコピーがこの北朝鮮の滑空ミサイルだとすると、もしかすると・・・」

「もしか?」

「羽生二佐、管制誘導プロトコルを中国がいじっていないで、北朝鮮もそのままだとすると・・・このS-400の指揮通信車のPCの中に、確か、私、Yu-71の管制誘導プロトコルをコピーしていたんですよ」

「よく、そんなものをコピーしてたな」

「プロトコルの改良ができないかな?って思いまして・・・どのフォルダーだったけかな?・・・あった、これだ。ミサイルの指令誘導(Command Guidance)の周波数は・・・10.298GHz・・・ID?・・・ミサイルのID?」


 アニーがPCの画面を見て首を捻っていると「アニー、これじゃないか?」と羽生が指揮通信車の画面のミサイルの表示にDF-ZF-3559とあるのを指さした。


「え~、そんなところになんで表示されているの?おまけに『DF-ZF』って人民解放軍のものじゃないの?」

「同じシステムだから、検知したのかも・・・もう、これを使うしかないだろ?」

「ラジャ、DF-ZF-3559・・・ダメ!」

「ハイフンを除いて入力したら?」

「え?そんなことで?DFZF3559・・・あ!ハックできた!」

「おおお!アニーすごいぞ!」

「目標変更・・・できる?・・・二佐、目標変更可能!」

「で?」

「緯度経度を入力!どこだ?どこにする?・・・頭が回んない!・・・えっと、北の誘導電波の発信源は?・・・N39°00'59.9"、E125°50'52"?、ここね。コピペして、もう、これ入力しちゃえ・・・よし、スラスター噴射開始・・・戻ったわ・・・」


続きは、エレーナ少佐のサドガシマ作戦(22) アナスタシア少尉 で。