シリーズ『フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)』第二話 メグミ Ⅰ
第三話 メグミ Ⅱ
第二話 メグミ Ⅰ
第一話 清美 Ⅱ
第一話 清美 Ⅰ
シリーズ『フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)』
登場人物
宮部明彦 :理系大学物理学科の2年生、美術部。横浜出身
加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻
杉田真理子 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、哲学科専攻
森絵美 :文系大学心理学科の2年生、明彦の恋人
島津洋子 :新潟出身の弁護士、明彦の愛人
化学科の真理子 :杉田真理子とは別人の明彦と同期の化学科の3年生、美術部
清美 :明彦と同じ理系大学薬学科の1年生、美術部
小森雅子 :理系大学化学科の3年生、美術部。京都出身、実家は京都の
和紙問屋、明彦の別れた恋人
田中美佐子 :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身
あらすじ
真理子は長髪で面長の美人だ。加藤さんは、ショートヘアで、キャンディーズのランちゃんみたいな顔立ちをしている。スプーンでコーヒーをぐるぐるかき混ぜている。そんなに混ぜなくてももう十分だと思うけど、ペンを指先でクルクルやるような癖かも。かき混ぜるのがすんで、彼女はカップを両手で持って、コーヒーを飲み始めた。「宮部くん?」と彼女がコーヒーカップの縁越しにぼくを見ながら言う。「用事終わったのよね」
「そうだね、今日のところは」
「それで、宮部くんは帰っちゃうのよね、メグミにバイバイって言って」
「何かあるの?」
「何にもないわよ。何にもないから困っている」
「何が?」
「一緒にいる理由!」彼女は髪の毛を指で梳きながらちょっと怒ったように言った。
「いいよ、何かあるのならつき合うよ。買い物?本屋かい?」とぼくは何が彼女の気に入らないのかわからなかったので、当てずっぽうで言う。
「そういうことじゃないのよ」と彼女が頭を振りながら言った。「鈍感ね、宮部くんは・・・」
「え?」
「あのね」と加藤さんが言う。「ちょっと、訊いてもいい?」
「どうぞ」
「宮部くんとマリって、どのくらいの関係なの?」
「う~ん、どのくらいっていわれてもなあ・・・週に二度ほど会って、買い物したり本屋に行ったり、だべったり、ちょっとお酒を飲んだり、という関係?」
「ふ~ん、あのね・・・」
「なに?」
「宮部くんとマリ、肉体関係ってあるの?」
「バ、バカ・・・加藤さんは何を訊くんだか・・・な、ないよ」
「キスとかは?」
「ないよ」
「じゃあ、単なる友達?」
「いや、週に2度会っているんだから、仲のいい友達なんだろうね」
「キスしたいとか、セックスしたいとか思わないの?」
「真理子がどう思っているか知らないけど、まだ知り合って2ヶ月くらいだからね」
「宮部くん、知り合う期間が長ければ、キスとかセックスとかしてもいいってことなの?」
「そういう話じゃないって・・・」
「そう」と加藤さんは言った「じゃあさ、メグミが宮部くんとエッチしたいって言ったらしてくれる?」
「おいおい・・・」
「冗談よ、冗談」
「まったく・・・」
「あのね?」
「なに?変な質問じゃないだろうね?」

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