フランク・ロイドのブログ

フランク・ロイドの徒然

シリーズ『フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)』第一話 清美 Ⅱ

第一話 清美 Ⅱ


シリーズ『フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)』

第一話 清美 Ⅰ

まえがき

フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅰ)(https://www.pixiv.net/novel/series/9167897)の続きの物語。主人公は代わって、マルチバースに登場する宮部明彦。森絵美は続いて登場。(Ⅰ)で登場した杉田真理子と加藤恵とは似ているようでいて、ちょっと違います。

加藤恵は加藤恵美(メグミ)という名前になります。島津洋子も登場して、第1、第2、第3ユニバースの登場人物とかぶります。いわば、第1、第2、第3ユニバースの記憶転移の干渉を受けない宇宙、第4ユニバースという宇宙です。この第4ユニバースで殺害された森絵美の記憶が第2ユニバースの神宮寺奈々(「A piece of rum raisin - 第2ユニバース」/「フランク・ロイド」のシリーズ [pixiv])に転移します。

登場人物

宮部明彦    :理系大学物理学科の2年生、美術部。横浜出身
森絵美     :文系大学心理学科の2年生、明彦の恋人
島津洋子    :新潟出身の弁護士、明彦の愛人
清美      :明彦と同じ理系大学化学科の1年生、美術部


杉田真理子   :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、哲学科専攻
加藤恵美    :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻


小森雅子    :理系大学化学科の3年生、美術部。京都出身、実家は和紙問屋、
         明彦の別れた恋人
田中美佐子   :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身

あらすじ

 私は苦笑いした。「言ってくれますね、明彦。『手近で済ます』なんてさ。もちろん、近親相姦なんて『手近で済ます』の最たるものだけどさ」と言うと彼が「でもさ、清美、なんでぼくなんかにこんな秘密の話をするんだ?」と聞かれた。あら、なぜだろう?


「あら、なぜだろう?なんだか、明彦には話したくなったの」
「ぼくらは付き合いがあるってわけじゃないだろ?」
「付き合っていたら、こんな話できないじゃない?別れられちゃうわよ。明彦だって、叔父と近親相姦しちゃった女の子と付き合えないでしょ?」
「黙っていればいいじゃないか?」
「これを胸にしまっておくのは無理でしょ?明彦とあんまり付き合いがあるわけじゃないから話せるのよ」
「それは話したからにはぼくと付き合う意志はないってことの表明?」
「いいえ、付き合って欲しいというのはあるけど、無理でしょ?私とじゃあ?」
「ぼくにはよくわかんないよ」


「まあいいじゃない。付き合うとかは置いておいて、ねえねえ、お願いがあるんだけど」と思い切って言う。酔っ払ったせいにしちゃえばいいかな?「清美、なに?」と言うので彼の耳に口を近づけて言ってみた。「あのね、叔父と近親相姦なんかしちゃった女の子だけど、私を抱いてくれない?」


「はぁ?」マジマジと顔を見つめられた。
「だってさ、私、叔父とのことカウントしなければ、男性経験がないの。『手近で済ます』なんだから、ねえ、抱いてよ、私を」
「お付き合いしていない女の子を?」
「だからいいんじゃない。叔父とはノーカウントなんだから、私は処女も同然。私の処女もらってよ」


 本当はね、明彦、狙ってたんだ。近親相姦なんて黙っていて、アプローチしちゃおうとか思っていた。でもさ、こんな話、黙っていられないよ。彼と同期の真理子先輩の話では、京都に帰ってしまった小森雅子先輩と付き合っていたみたいだけど、今は相手がいないみたい。真理子先輩もこの前まで狙っていたようだし、だったら、抱かれるくらいはいいんじゃないかな?わだかまりがないみたい、私のこと、汚い女の子と思われなさそうだ。私もウジウジする性格じゃないけどね。でも、彼に抱かれれば、なんとなく自分が浄化されるような気がするんだよね。