奴隷商人 Ⅵ、第37章 ●奴隷商人35、紀元前46年
奴隷商人 Ⅵ
第37章 ●奴隷商人35、紀元前46年
●神殿巫女・奴隷娼婦の選別
ソフィアもジュリアも、アルテミス号でどんちゃん騒ぎをするための娼婦の選別は慣れたものだ。15人の募集にこんな辺鄙な漁港に200人、集まってきた。この漁港周辺、30キロぐらいの娼婦全員が集まってきたようなものだ。
いろいろな階層がいた。街道の旅籠にいるフリーランスの私娼もいれば、夫、父親母親に連れられた普通の家庭の娘や主婦もいる。10才くらいの娘を連れてきた母親もいた。ムラーが12才未満はダメだぞというので、そういう娘はソフィア、ジュリアが断った。未経験の処女も帰らせている。確かに処女じゃ、こういう類のパーティーでは邪魔なんだろう。
ジュリアが「ハイ、お前、ダメ。お帰り」とどんどん選別していく。選別されなかった女に「いいか、帰りにあそこのカウンターに寄って、お土産の服とお駄賃を受け取りな」と言う。断った女性にも、新しい綿の清潔なワンピース、シャンプー、ディナリウス銀貨3枚(1万二千円)を渡す。
20世紀で言うタクシー代ということだろうか。くればもらえるとばかりに二度並ぶ女もいる。そういう女性は「お前、さっき並んだよな?」とソフィアが列から外す。そりゃあ、選別されなくても、お土産とお駄賃をもらえるなら、娼婦も集まる。
服装もマチマチだ。貧しい家庭の子だと、下着の小さな腰布だけでトップレスという格好だ。裸足。そういう子は選ばれなくても、お土産の下着、胸を寄せてあげる胸帯、チュニック(ワンピース)をもらって目を潤ませる。裸足の女の子には、ジュリアがしょうがねえなあと言いつつ、革のサンダルをソッとあげたりしている。あら?ジュリアも優しいところがあるんだね。
私やアイリス、ソフィアやジュリアは、私がデザインしたちょっとマシな下着を着ている。20世紀女なんだから、古代の下着を着るのはイヤ!
さすがに、私娼や素人よりも神殿巫女のクオリティーは高い。服地も麻ではなく、綿や絹のチュニックを着ている。白ではなく、さまざまな染料で染めてある。宝石も身に着けている。15人中、巫女は9人選ばれた。神殿所属なので、入浴もちゃんとしているし、体も清潔だ。
第37章 ●奴隷商人35、紀元前46年 に続く。
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