メグミちゃんの「ガンマ線バースト」の解説

2022/11/30 14:00

　はい、みなさん、メグミです。「A piece of rum raisin - 第１ユニバース」お読みいただきありがとうございます。

　第４話洋子の不覚醒１では、私と小平博士の専門のニュートリノ、ガンマ線バースト、極超新星爆発などが取り上げられています。ちょっと難しいことを私も言っちゃっていたりしました。そこで、多少蛇足ながら補足してみたいと思います。

　日光ってあるじゃないですか？太陽からの日光。日光は太陽から上下左右まんべんなく球状に放射されていますよね。ところが、ガンマ線バーストは方向性を持っています。極超新星の自転軸からレーザー光線のように角度2°の広がりで放射されるのがガンマ線バーストです。言葉じゃ難しいので、動画を御覧ください。

ガンマ線バーストが地球を襲ったら何が起こるか?

　この動画では、10光年の距離でガンマ線バーストが起こったら丸焦げ、なんて物騒なことを言っています。これじゃあ、たとえ明彦たちのアイデアの数千発の宇宙水爆爆発のバリアでも地球絶滅は免れません。地球が10秒間（バーストの持続時間）超強力電子レンジの中に入れられるようなものです。

　でも、ご安心を。地球のそば、10光年のところに極超新星はありません。（物語の都合上、とかツッコミ、入れないでくださいね）しかし、今回（？）極超新星爆発を起こすのは、『ペガスス座IK星A』とその連星という発見を私はしちゃったんですね。エッヘン。（ノーベル賞、もらえるでしょうか？）・・・第三ユニバースでノーベル賞もらっても、絶滅したら元も子もないか・・・

『ペガスス座IK星A』とその連星は、地球から150光年の場所にあります。自転軸はピタリと地球を向いています。レーザー砲の標準が私たちを狙ってます。怖いですね。

ガンマ線バーストの方向性

　それを、水爆を宇宙空間で爆発させて、小太陽みたいなものをバースト正面に何千発も展開するので、ガンマ線をそれで防ごう、というアルマゲドンなんて目じゃない防止策です。ドラゴンボールのかめはめ波の撃ち合いみたいなものです。

　ただし、向こうはビーム形状のガンマ線。こちらは、太陽から放射される日光のように球状に広がるバリア。果たして勝てるんでしょうか？何年前にICBMを打ち上げれば間に合うのでしょうか？時間との戦いです。ハイパーカミオカンデも第三ユニバースみたいに、2027年実験開始♥なんておっとりと建造していられません。日本学術会議を叩き潰さなくては！

　ハイパーカミオカンデ、地下650mの深さに、高さ60m、直径74mの円筒形状を持つ巨大水槽に約26万トンの超純水を蓄え、内水槽の壁面に50cm径の超高感度光センサー40,000本、外水槽の壁面に20cm径の高感度光センサー6,700本を取り付ける計画ですが、もっと大きくしないとダメかも。超高感度光センサーの感度次第ですね。この超高感度光センサーの開発を投げっぱなしジャーマンよろしく、明彦はメグミ、お前がやれ、とか言っちゃって、失礼しちゃいますね。

カミオカンデの能力比較

ハイパーカミオカンデ

　ガンマ線バーストに先駆けて、ニュートリノが放出されます。ニュートリノは悪さしませんから、ニュートリノを観測していれば、その後、ガンマ線バーストがいつ来るか、というのが予測できるはずです。

ガンマ線バースト到達以前のニュートリノの飛来

　でもねえ、実際のところ、ニュートリノが来たあと、どのくらいの時間を置いてガンマ線バーストが襲来するか、なんて、まだ観測されていません。これまた、小平先生と私の双肩にかかっちゃっているんだなあ。ノーベル賞くらいくれたって、バチは当たらないと思いますよね？第一でノーベル賞くれるかなあ？

　ハイパーカミオカンデだけだとダメ。KEKの素粒子原子核研究所のJ-PARCの能力増強も必要。KEKだから、明彦と絵美のところ（第三ではね）絵美ちゃん、第一で心理学なんてやっている場合じゃないじゃない？

　J-PARCでは、3つの加速器で陽子を加速してニュートリノなど種々の粒子を生成します。生成したニュートリノビームは神岡のハイパーカミオカンデで捉えて、観測する。陽子加速器はガンマ線も出るので、それでいろいろとシミュレーションできるんです。超新星はそうそう爆発するものじゃないので、J-PARCとハイパーカミオカンデで人為的に観測しないと、データが足りない。予測ミスしたら、地球が丸焦げになります。責任重大なんですよ。