フランク・ロイドのブログ

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ヒメと明彦 第5章、ヒメと明彦 XIX

ヒメと明彦 第4章、ヒメと明彦 XIII 

 私は、仲里美姫、ヒメを不幸のどん底に落とさないといけないわけでして、それをどうするかを思案中。だいたい、先走って、結末の序章がアップされてます。



 これ以降はもう書いてしまったわけで、結末を変えるには、この話を撤回しないといけない。


 撤回して、ヒメが不幸のどん底に落ちないと、それ以降の雅子の話はなくなり、雅子が不幸のどん底に堕ちる話もおじゃんで、それにまつわる登場人物もみな存在しないというタイムパラドックスになる。そうなると、第5ユニバースになるわけで、思案中です。

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)、雅子 総集編3

●絵美と洋子1、1983年1月15日(土)


 読んでいる人はそんなこと別に構わないでしょうが、フィクションを書いていると、感情移入してしまいます。ヒメが可哀想だ、ということになる。小説の中の高橋良子が勝手にストーリーを変えてくれればなんとかなると思いますが・・・

ヒメと明彦 第5章
ヒメと明彦 XIX

登場人物

宮部明彦    :理系大学物理学科の1年生、横浜出身
仲里美姫    :明彦の高校同期の妹、横浜の女子校の3年生
高橋良子    :美姫の高校の同級生
生田さん    :明彦のアパートの大家、布団屋さん
山屋良平    :明彦のアパートの近所の酒屋の息子
坂下優子    :美姫と良子の同級生


小森雅子    :理系大学化学科の学生、美術部。京都出身、
         実家は和紙問屋、明彦の別れた恋人
吉田万里子   :理系大学化学科の1年生、雅子の後輩、美術部


内藤くん    :雅子の同期、美術部、万里子のBF
田中美佐子   :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身


加藤恵美    :明彦の大学の近くの文系学生、心理学科専攻
杉田真理子   :明彦の大学の近くの文系学生、哲学専攻


森絵美     :文系大学心理学科の学生
島津洋子    :新潟出身の弁護士


清美      :明彦と同じ理系大学化学科の学生、美術部

 1976年4月30日(金)
 ●Miki Nakazato Ⅵ

「さすがに疲れたね。寝るか?」と明彦が言う。
「私はかなり進んだわ。美姫はどう?」と良子。
「国語に悪戦苦闘中です!」まったく、古文とか漢文とか、こういう古代の言葉で、なんだら変格活用はやめていただきたいもんです。
「おやじの酒棚から盗んできたウイスキーがあるから飲もうか?バレンタインの17年があるぞ」と明彦。

 バレンタインの17年?なにそれ?のんべの良子が「バレンタインの17年!飲む!」と言う。明彦が氷がないから水割りかストレートになるよ?と良子に言う。ストレート!と良子が即答。

 彼がグラスに緑の瓶からウイスキーを注いでくれて、私と良子に渡してくれた。ウイスキーって喉、焼けるじゃない?と思ってお口に含んだら、あら?おいしいじゃん!角とかだるまと違うんだねと思った。良子はクイクイ飲まずに味わってる。この女、お酒の味まで知ってるんだね?

 ちゃぶ台を片付けて、お布団を敷く。4月初旬に3人で初めて寝てから、今日で三人でするのは4回目。私の定位置は、明彦と良子の間になっている。3人ともうつ伏せになって、ウイスキーを舐める。今日は勉強したんで、達成感ありなんだよ。ご褒美のお酒って感じかしら?美味しい。

 お酒がなくなると、明彦がちょっとずつ私と良子に足してくれる。さすがに、私でもこのお酒は高級でグビグビと酔っ払うためにあるんじゃない、というのがわかる。良子が、美姫、美姫と言うので彼女の方を向いたら、キスされて、口移しでお酒を飲まされた。良子の唾液でお酒がとろっとなって、もっと美味しい。明彦は慣れちゃったのか、それを見ても何も言わない。ああ、なんか幸せ。大好きな彼氏と大好きな親友に挟まれてキスなんて。純情な優子が見れば卒倒するわね。

 だんだん眠くなってきた。まぶたが重いよ。美姫、寝ちゃうの?私、明彦としたいんだけど、と良子に言われる。眠くて、面倒くさい。いいよ、やっても、と言ってお布団に潜り込む。良子だったらいいやと思う。感覚おかしくなってるのかな?

 意識が遠のいて、寝てしまった・・・あれ?目が覚めた。そんなに時間が経ってないんだろう。私の隣で、二人が抱き合っていた。良子が上になってる。腰を振って自分の感じる場所を探っているような。良子は彼を焦らしているつもりなんだね。前後に動いている。それ、ダメだよ。明彦は待ちの姿勢なんだよ。良子が軽く逝った。そこからだよ、良子。

 明彦が良子の腰をつかんで、下から突き上げた。あ~あ、串刺しじゃん。良子が彼の体に突っ伏した。明彦が容赦しないで、突き上げ続ける。良子は彼に抱きついて痙攣した。

「ねえ、良子」と明彦の上でヒクヒクしている良子に声をかけた。良子が私の方に顔を向けた。
「あら、美姫、起きたの?」とものすごく艶っぽい声を出した。
「私さ、感覚がおかしくなっているみたい。うたた寝して、目が覚めたら、親友が彼氏にのしかかって、串刺しになってるじゃない?攻められて喘ぎ声を出して、エクスタシーを感じて、彼氏におおいかぶさってるのが横に見える。それを見て、良子、気持ちよさそう、次、私、なんて思う感覚って、おかしいよね?」
「・・・考えてみると、変ね?」
「感覚が古代のハレムみたいになってるね。一夫多妻制だよ、これじゃあ」
「そうね。第一夫人。第二夫人、お先に頂きました!アハハ」」

ヒメと明彦 第5章、ヒメと明彦 XIX に続く。