奴隷商人 Ⅵ、第34章 ●奴隷商人32、紀元前46年
奴隷商人 Ⅵ
第34章 ●奴隷商人32、紀元前46年
●リビア沖
「へぇ、この前まで、ベルベル人の盗賊団に入ってましたんで、わかりやすが、それが何か?」
「いえ、ちょっとね・・・ムスカ、腕っぷしは?」
「へぇ、半月刀を少々。自流の二刀流を使います。あと、弓矢ですかね?」
「ふ~ん・・・ねえねえ、私と半月刀で勝負しない?腕が良ければご褒美をあげるわ」
「アイリス様、私は、こういっちゃなんだが、娘っ子相手に勝負しませんって」と鼻孔を膨らませて胸を張る。おうおう、自信あるのね?
横から年嵩の手下がこの会話を聞いていて「ムスカ、止めとけ。勝負にならん」とムスカに助言する。「まあ、そうでしょう。私の勝ちはわかってるんだから」とムスカが答えると「おいおい、アイリス様だぞ、相手は?」「問題ねえですよ」
アイリスが年嵩の船員に「ねえ、あなた、勝負の検分をしてちょうだいな」と言った。「アイリス様、やるんですかい?止めねえですけど。まあ、ムスカ、腕は悪くありませんぜ」
三人で甲板に出た。ムスカはエミー様ばりのツーハンドの半月刀。私は小ぶりの半月刀を選んだ。半月刀を打合せて開始。ムスカがエミー様のように二刀をバッテン(✕)形にして攻撃してくると思ったら、縦横のプラス(+)形で向かってきた。両手の攻撃が別々で読みにくい。私は片手で半月刀を振り回して、彼の攻撃を避ける。実は、半月刀は手を添えているだけで、振り回すのは念動力を使っているのだ。ズルいかな?だって、半月刀、重いんだもん。疲れちゃうわよ。3分くらい刀を合わせた。腕、悪くないわね。
「まいりましょう。いいですわ。死ぬかもしれねえんですね。あ~、死ぬ前にアイリス様を抱いてみてえ」
「それはムラーに八つ裂きにされるからダメだわ。私、ムラーにしか抱かれないの。でも、さっき見たら、エジプトの女奴隷で私に似ている子がいたから、釣りが終わったら、その子を私だと思ってお抱きなさい。手下に話しておくわ」
「まあなあ、無理だよなあ。アイリス様なんだからな」
「あなた、私のあそこ見て、勃起してるじゃない?」
「おっと、バレてました?」
「腰布の下がカチンカチンよ」アイリスがそこを指ではじく。
「痛え!」
「さあ、イカをたくさん釣らないと、私に似た子、抱けないわよ。早く釣って頂戴」
「わかりやした。しょうがねえ。あなたに似た子で我慢しましょう」
「まあ、若い男に『あなたを抱いてみたい』って言われて、悪い気はしないわね」
「あなただけですよ、こんなことを言えるのは。エミー様やソフィア、ジュリアだったら、チンコをぶった切られます」
「ムスカ、抱けない女ばかりじゃないの?」
「高望みです」
「宦官になるんだったら、少なくともソフィアとジュリアは抱かせてあげるけど?」
「イヤですよ。冗談じゃない。あっしは、てめえのガキが欲しいでさ」
「ハイハイ、じゃあ、釣りしてカラス貝とってね。明日の朝食の後、船長室に来て頂戴。ムラー様に言っておくわ。大スフィンクスの話をもっとして頂戴ね」
立ち上がろうとして、気が変わって、アイリスはムスカにキスした。ムスカが、これじゃあ、生殺しじゃねえですか!キスだけ?と言う。ご褒美の一部よ、と言って、アイリスは尻を振ってキャビンに戻った。
第34章 ●奴隷商人32、紀元前46年 に続く。
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奴隷商人 Ⅲ
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