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奴隷商人 第8章 奴隷商人6、侵入者、紀元前47年

第8章 ●奴隷商人6、侵入者、紀元前47年

 ジャッカル頭のアヌビスが俺の方に突進してきて、クルッと回転して腹を狙ってきた。鋭利な爪で俺の腹を引き裂こうというつもりか?これで死んだら、俺の意識/記憶もアップロードされない。本体に戻れない。おまけに、絵美をここに一人で残すことになる。



 俺は飛び下がったが、アヌビスの脚の爪で腹を少し裂かれた。俺はもう一度、念動力を試してみた。少しアヌビスがフラフラするがあまり効いていない。アヌビスがすっ飛んできて、俺にスピアを見舞った。胃袋が飛び出しそうだ。


 アブと奴隷どもが加勢してアヌビスに飛びかかったが、右手の一閃で薙ぎ払われた。このバカ力のジャッカル頭め。スピアの態勢でアヌビスは俺に馬乗りになっている。これはヤバい。


 いつ二階から降りてきたのか、絵美が入り口から覗いていた。どこで探したのか手斧を手にぶら下げていた。


 彼女がスっとアヌビスの後ろに回り込んだ。絵美は俺にのしかかっているアヌビスの背に振りかぶった手斧をブチ込んだ。手斧はアヌビスの右肩に食い込んだ。ジャッカル頭はのけぞった。