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ヒメと明彦 第3章、ヒメと明彦 XII

ヒメと明彦 第3章
ヒメと明彦 XII

登場人物

宮部明彦    :理系大学物理学科の1年生、横浜出身
仲里美姫    :明彦の高校同期の妹、横浜の女子校の3年生
高橋良子    :美姫の高校の同級生
生田さん    :明彦のアパートの大家、布団屋さん


小森雅子    :理系大学化学科の学生、美術部。京都出身、
         実家は和紙問屋、明彦の別れた恋人
吉田万里子   :理系大学化学科の1年生、雅子の後輩、美術部
内藤くん    :雅子の同期、美術部、万里子のBF
田中美佐子   :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身


加藤恵美    :明彦の大学の近くの文系学生、心理学科専攻
杉田真理子   :明彦の大学の近くの文系学生、哲学専攻


森絵美     :文系大学心理学科の学生
島津洋子    :新潟出身の弁護士


清美      :明彦と同じ理系大学化学科の学生、美術部

 1977年7月16日(土)
 雅子の部屋 Ⅲ

「明彦の言うことよくわかる。私の頭のまだ埋まっていないパズルのピースをくれたって感じかしら。ありがとう」


「どういたしまして。さあ、シャワーを浴びよう。体中がベトベトだよ。シーツも濡れてる。雅子の濡れ方もすごいよね?」
「『雅子の濡れ方も』?『も』?『も』?」誰かの濡れ方はすごくて、私『も』なの?」
「・・・『雅子の濡れ方は』と言うべきでした」
「ヒメね?ヒメの濡れ方『も』すごかったんだね?」
「・・・まあ、そうだね」


「私、バカね。『は』でも『も』でもどうでもいいのに、気になる、ヒメが気になる。それでさ、バカな私はバカな質問を思いつくのよ」
「どんな質問?」
「バカだなあ、実にバカ!あのね、『私とヒメとどっちが良かった?』という質問・・・バカだよねえ・・・」
「その質問、真面目な比較解剖学で答えても雅子はイヤだろうし、キミのほうが良かったよという答えは一時的な雅子の満足を満たすだけ。どう答えよう?」
「私、バカだねえ、忘れて、忘れて。これじゃあ、万里子をバカにできないよ」


「こんなに濡れるなんて思いもしなかった。濡れる方じゃないと思ってたのに。明彦、うまいわね?何人くらいと経験したのよ?」
「あ!束縛と嫉妬だ!」
「ねえ、何人としたのよ?」
「三人。ヒメと雅子も含めて」
「三人?私の知らないもう一人がいるんだ・・・まあ、いいか。その内、聞いちゃおう!あのね、明彦が私の中にいっぱい出した時、正直、我ながら呆れ返ったんだけど、『私はこれで彼の女なんだよ、万里子、ざまぁ見ろ』って思ったんだ。ひどいよね」
「あらら、クールな雅子さんでもそういう感情があるんだ。なんで万里子ちゃんにそんなにライバル心を持つのさ?」


「キミの歓迎会で、私は離れた席で話もできなかった。明彦の隣に座ったのが万里子ちゃん。ベタベタして、胸を明彦に見せつけて!仲良さそうに話していたじゃない?あの時、メラメラってしたの。それ以来、万里子ちゃんを見ていて、ああ、彼女もキミを狙っているなあ、って思って。彼女の大きな胸にもメラメラきたし。私の小さいじゃない?それで、明彦は私だけじゃなくて、彼女にも好意を持っているのは感じられたもの。だから、万里子ちゃんには特別メラメラするのよ」

ヒメと明彦 XII に続く。