ヒメと明彦 第3章、ヒメと明彦 XI
ヒメと明彦 第3章
ヒメと明彦 XI
登場人物
宮部明彦 :理系大学物理学科の1年生、横浜出身
仲里美姫 :明彦の高校同期の妹、横浜の女子校の3年生
高橋良子 :美姫の高校の同級生
生田さん :明彦のアパートの大家、布団屋さん
小森雅子 :理系大学化学科の学生、美術部。京都出身、
実家は和紙問屋、明彦の別れた恋人
吉田万里子 :理系大学化学科の1年生、雅子の後輩、美術部
内藤くん :雅子の同期、美術部、万里子のBF
田中美佐子 :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身
加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、心理学科専攻
杉田真理子 :明彦の大学の近くの文系学生、哲学専攻
森絵美 :文系大学心理学科の学生
島津洋子 :新潟出身の弁護士
清美 :明彦と同じ理系大学化学科の学生、美術部
1977年7月16日(土)
雅子の部屋 Ⅱ
急に明彦が唇を離した。「あ!雅子、ごめん。ぼくはキスが好きなもんだから夢中で雅子の唇を吸っちゃったけど、雅子がどうか、聞くのを忘れていたよ」
「え?キス止めちゃって、そんな確認するの?わけがわからない人だなあ。うん、私もキス好きだよ。って、三年前に付き合っていた子はキスがうまくなくって、今までキスが好きかどうかわからなかったけど、明彦にキスされるのは大好き。ボォ~となっちゃうよ」
「そりゃあ、良かった。ぼくも雅子とするキス、大好きだよ。クセになっちゃうよ。雅子、キスを受けるのうまいんだもの。三年間のブランクがあるにしては、ぼくに合わせるのがうまいよ。舌をねっとり絡めるのが最高だな」
「明彦、恥ずかしいことをいわないでよ。私、ねっとり絡めてたの?夢中だったから。ドキドキしちゃった」
「相性があるんだろうね。相手によっては『この人とキスするのはイヤ』って相手もいるかもしれない。ぼくは口の中でねっとりするのが好きなんだ。口の外、口の周りとかベタベタ舐めたくない」
「あ、それはあるかも。顔中唾だらけになるのはイヤだなあ」
「でも、口の中でねっとりするのは好き?」
「うん、好き。舌を絡めるのっていいものなんだね」
「もっとする?」
「うん、もっとして」
明彦がまたキスしてきた。唇を優しく噛まれた。舌を奥深くまで差し込まれた。舌を吸われる。おっと、唾が湧いてくる。え?明彦、私の唾をすすっちゃうの?飲んじゃうの?汚く思われないかな?なんか、体液を交換しているみたい。
よし、今度は私。私が舌を明彦の口に差し込む。彼の舌を吸う。彼の唾ってどんなかな?うわぁ~、味より何より、好きな相手の唾を飲むという行為がこんなに素敵だって思わなかった。まだ、セックスしていないけれど、一体になったみたい。
ふん、万里子ちゃんに見せてあげたいな。知らせてあげたいな。ええ?これが所有欲とか執着心ってことなのかな?
おいおい、明彦、背中に回していた右手を私の胸に移すの?オッパイを下からちょっと揉みしだかれてる。決して強くない。さわさわって感じで。あ!乳首の先をさわさわされて。ジ~ンときて、背中から下半身に電気が走って、あそこから溢れちゃうよ。いや、もう溢れてるって。パンティー濡れてるのがわかるよ。恥ずかしい。
って、また、明彦が唇を離した。チェッ、いいところだったのに。「今度は何?明彦?」
「いや、このまま突き進むか、それとも、シャワーでも浴びるか?どっちにする?」
「恥ずかしいこと聞かないでよ。私から突き進んで!って言えるわけがないじゃないの?」
「いや、人によっては、体を綺麗にしてから突き進んで、って人もいるからね。これから、核心に触れるんですから」
「もう、核心って何?」
「ぼくたちが一体になる部分だよ」
「あちゃあ」
「京都では関東と呼び方が違うんでしょ?」
「うん、違うよ」
「他の地方の呼び方だとピンとこないけど、ご当地の呼び方だと恥ずかしくなるのかな?」
「そうかもしれない」
「九州だと『ボボ』って呼ぶらしい。プロレスのボボ・ブラジルって名前は九州の人には凄く恥ずかしいらしいよ。ぼくはぜんぜんピンとこないけど。京都ではなんて呼ぶの?」
「明彦、そんなこと言えないよ」
「知りたいな」
恥ずかしいことを聞くヤツだよ。私は小声で「オメコとかオソソとか」とつぶやいた。
「え?何?もう一回」
「いや、だから、オメコとかオソソとかって呼ぶのよ」
「へぇ~、雅子のあそこは『オメコ』とか『オソソ』って京都じゃ呼ぶの?」
「明彦、大きな声で言うのは止めて!」
「『オメコ』とか『オソソ』って大きな声でいっちゃあいけない?」
「キミ、もっと声が大きくなってるぞ!」明彦が恥ずかしい言葉を言うと、感じちゃうよ。意地悪だ。
ヒメと明彦 XI に続く。

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