ヒメと明彦 第3章、ヒメと明彦 Ⅹ
ヒメと明彦 第3章
ヒメと明彦 Ⅹ
登場人物
宮部明彦 :理系大学物理学科の1年生、横浜出身
仲里美姫 :明彦の高校同期の妹、横浜の女子校の3年生
高橋良子 :美姫の高校の同級生
生田さん :明彦のアパートの大家、布団屋さん
小森雅子 :理系大学化学科の学生、美術部。京都出身、
実家は和紙問屋、明彦の別れた恋人
吉田万里子 :理系大学化学科の1年生、雅子の後輩、美術部
内藤くん :雅子の同期、美術部、万里子のBF
田中美佐子 :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身
加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、心理学科専攻
杉田真理子 :明彦の大学の近くの文系学生、哲学専攻
森絵美 :文系大学心理学科の学生
島津洋子 :新潟出身の弁護士
清美 :明彦と同じ理系大学化学科の学生、美術部
1977年7月16日(土)
●雅子の部屋 Ⅰ
GW前の月曜日の午後、彼が部室に突然入ってきてから、ずっと好きだった。いや、違うな。去年のバレンタインデー、大学の合格発表の時からだ。美術部に入部してから狙っていた。明彦が部室へ顔を出すのは、たいがい月水金だったから、私も月水金に顔を出していた。でも、いつも部員が誰かいて、二人っきりになれやしない。歓迎会でも離れた席で話もできなかった。明彦の隣に座ったのは明彦と同期の吉田万里子。仲良さそうに話していたっけ。チェッ。
五月、六月、七月も半ば、二ヶ月半もたった。その間、彼がチラチラ、私を見るのに気づいていた。私が方言で話すとモジモジするから、きっと私が方言を話すのが好きなのもわかった。だけど、万里子も狙っている様子。彼女だって大阪の出身。彼が彼女の方言でも同じようにモジモジするのもわかった。でも、万里子は内藤くんをあてがったじゃないの!私、焦ってたものなあ。数ヶ月だけと言ったって、私が年上だもの。
やっと二人っきり。しかも週末。これ、ずっと私が脳内でシミュレーションしてた場面。何度も何度もセリフを考えて想定してた。考え抜かれたセリフ。明彦の答えもほぼ想定通り。私が二ヶ月半も彼のことを考えて、会話のセリフも決めていたなんて彼には思いもかけないことだろうなあ。
でも、ヒメの話は想定外。驚いた。明彦も気になるけど、仲里美姫、ヒメも気になる。明彦に一緒に彼女を探そう、と言ったのは冗談ではないのだ。彼女を探して、見つけて話をして、決着をつけなければ、私はいつまでもモラトリアムのままなんだ。ヒメ!どこだ!・・・おっと、千夜一夜物語で寝物語でヒメの話は聞くんだった・・・寝物語・・・私、エッチになった?万里子になったのかしら?
居酒屋の支払いをぼくがする、私がする、って押し問答して、彼の財布を奪うように見せかけて、私が胸を擦り付けたら、明彦、ビックリしてたな。万里子の大きな胸には負けるけど、小ぶりでも上向きの自慢の胸だもの。ここまで接近遭遇したら、腕を絡ませて胸を押し付けても構わないわよね?彼の腕に胸をグイグイ押し付けてやった。ベタベタするのは嫌いだ!って言っていたのは誰だっけ?まあ、気にしない。彼の手のひらがギュッと私の手を握りしめた。二人共手のひらに汗かいてる。
サマーニットのプルオーバー、ブカブカの着てきたんだけど、どうかな?彼からブラ見えるかな?あ!盗み見てる見てる。ブラの色は、ラピスラズリの濃いブルー。パンティーもお揃いなんだもん。あら?困ったわ。
乳首がブラに擦れて固くなっちゃったよ。なんか、あそこもジワッと濡れだしちゃった。高校二年生以来、男性経験がないんだけど、私ってこんなに淫乱だったのかしら?吉田万里子を責められないじゃない!そう思ったら、彼の腕をギュッとしちゃってもっと押し付けちゃった。
ふわぁ~、ドキドキするわ。
ヒメと明彦 Ⅹ に続く。

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