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ヒメと明彦 第4章、ヒメと明彦 XIV

ヒメと明彦 第4章
ヒメと明彦 XIV

登場人物

宮部明彦    :理系大学物理学科の1年生、横浜出身
仲里美姫    :明彦の高校同期の妹、横浜の女子校の3年生
高橋良子    :美姫の高校の同級生
生田さん    :明彦のアパートの大家、布団屋さん


小森雅子    :理系大学化学科の学生、美術部。京都出身、
         実家は和紙問屋、明彦の別れた恋人
吉田万里子   :理系大学化学科の1年生、雅子の後輩、美術部
内藤くん    :雅子の同期、美術部、万里子のBF
田中美佐子   :外資系サラリーマンの妻。哲学科出身


加藤恵美    :明彦の大学の近くの文系学生、心理学科専攻
杉田真理子   :明彦の大学の近くの文系学生、哲学専攻


森絵美     :文系大学心理学科の学生
島津洋子    :新潟出身の弁護士


清美      :明彦と同じ理系大学化学科の学生、美術部


 明彦が雅子と付き合い出す前、大学の合格発表から翌年の7月まで、明彦はバイトで忙しかったこともあり、ヒメに何が起こっていたのか、知らないことが多かった。ヒメが明彦に内緒にしていたことがあった。


ヒメと明彦 Ⅵ、1976年3月19日(金)、●千駄ヶ谷の底なし沼 の続き。

 1976年4月10日(土)
 ●Miki Nakazato Ⅰ

 明彦とずっと一緒に過ごせた楽しかった春休みが終わってしまった。学校、行きたくない!いいじゃん?高校中退して、大好きな明彦と同棲したって。なんで高校卒業しないといけないの?大学に進学しないといけないの?


 例えばですよ、明彦がバイトして、月の収入十数万円でしょ?かなりいい金額なんだけどね。(1970年代は大卒の初任給は10~15万円くらい)


 新橋のホテルのバーで、大学の授業が終わって、5~6時頃から、翌日の午前1時まで働いて、ホテルに泊まって、始発でホテルから急いでアパートに帰ってきて、ちょっと仮眠して大学に行く。


 青山のカメラマンのスタジオで、平日とか土日、撮影の手伝い、現像とプリント作業をする。現像なんて、長時間暗室で薬剤の臭い充満(お酢の臭いだよ、あれ)の中、急ぎの時は徹夜だってある。


 土日の伊勢佐木町のアトリエのバイトはまだいい。子供に絵を教えるだけだもの。でも、あまりバイト代は出ない。明彦は、楽しみでやっているだけ。でも、画家の先生は助かっているんだもん。


 だから、それをこの美姫ちゃんがですね、高校を中退して、映画『赤ちょうちん』の秋吉久美子ばりに、スーパーのレジのバイトとかをして、明彦のバイトを減らせれば、彼はもっと大学の授業に割く時間が増える。


 さらにですね、私に割く時間も増えて、美姫はもっとアンアンできる。明彦もティーンのみずみずしい体を存分に犯せる。明彦が子供はまだ、って言うなら、卒業、就職して収入が安定するまで待ちましょ。これの何が悪いの?


 と、いろいろ抵抗してます。明彦にも、秋吉久美子でいいじゃん!と言ってます。言ってますが、彼氏(註:恋人/ベッドのお相手も含)兼家庭教師兼美姫のお目付け役の明彦は聞きゃあしない。キミは私の兄か?パパとママの代理か?


 今日は明彦に引きずられて(物理的じゃない、心理的にだよ)千駄ヶ谷からひと駅の代々木の予備校の入学申込みに来てしまった。あ~あ。私、予備校に行くの?予備校のカリキュラムと彼のバイトがずれると、明彦といる時間、減るじゃん!


 少なくとも、代々木という場所は良い!ママに予備校行くからね!明彦のアパートからひと駅。だから、彼のアパートに泊まる!通学時間、節約できる!勉強時間、増える!文句ないでしょ?と言える。言えるんだけど、彼がバイトでいない部屋に一人いるって、意味ある?え?勉強すればって?18才の乙女は体が疼くのよ!


ヒメと明彦 第4章、ヒメと明彦 XIV に続く。