『よこはま物語 Ⅱ』、PIXIV #みんなのリメイク2023 版
『よこはま物語 Ⅱ』
PIXIV #みんなのリメイク2023 版
第1ページは、『仲里美姫』の事件が起こらなかった世界の目次。
以降の偶数ページは、『仲里美姫』の事件が起こらなかった世界の物語。偶数ページ、美姫の誘拐事件が起こらなかった世界の物語で、登場人物名は『フランク』。小森雅子を付き合い出す5月まではほぼ同じストーリー。雅子とフランクの相手は、人妻の田中美佐子。雅子のマンションの部屋のお隣さん。
『よこはま物語 Ⅱ』は『よこはま物語』の続き。
ヰタ・セクスアリス - 雅子 8、P.2 オリジン
明日と思っていた話を今晩しなければいけない
十ニ時になった。フランク、まだ来ない。来てほしいし、来てほしくない。
来て欲しいのは、真理子が邪魔して、絆が途切れそうな(と勝手に自分で思い込んでいるだけなんだけど)フランクとの仲をギュッと抱きしめてもらって、つなぎとめてもらいたい。って、あれ?バカップルの女と同じことをこの私が求めるのか?いいよ、いいよ、バカップルでもなんでもいいよ。フランクさえいれば。
来て欲しくないのは、明日と思っていた話を今晩しなければいけない、心の準備が出来ていないということ。だって、私がフランクの前から消え去るだなんて耐えられない。真理子がどうのという問題ではない。でも、真理子、ほくそ笑むだろうね?私がフランクの前から消え去ったら・・・いや、フランクがなんとかしてくれる・・・フランクが何とかできると思うの?雅子?大学二年生の男の子に、これがなんとかできるとでも思うの?・・・どうにもならないじゃない・・・駆け落ち?まさか。昭和枯れすすきじゃあるまいし・・・打算的で合理的な女じゃなかったの?私は?合理性を考えたら、私がフランクの前から消え去るだけなのに・・・あ~、美沙子さんに事前に相談すれば良かったのよ、バカよ、私は。
しばらく、独り言を言っていたようだ。気が狂いそうだ。でも、彼が来たら、まずは今晩の行動をとっちめてやる。こんなに遅くまで私を心配させたんだもん。でも、その後の説明をしたら、説得力なさそうだわ。あ~、いやになる。
チャイムが鳴った。私はいつも夜はドアチェーンをかける。ドアを開けた。フランクが立ってるのがドアの隙間越しに見える。「どちら様でしょうか?」と私は意地悪する。私って、素直じゃないなあ。「雅子、僕だよ。来たよ。中にいれてよ」「外濠公園で寝てると思ってたけど?」「意地悪しないで」「ちょっと懲らしめてやる。外濠公園に戻りなさい!」
フランクが横を向いた。あれ?そこで横向く?ドアチェーンで二十センチぐらいしか開けないのでフランクが何しているのかわからない。フランクが視界から消えちゃった。右方向に歩いて行った。あいつ、何処行ったの?慌てて、ドアを閉めて、ドアチェーンを外す。ドアを開いた。右を見回して、キョロキョロすると、美沙子さんの部屋の前で美沙子さんと話している。ちょっとぉ、真理子だけじゃなくて、美沙子さんも今晩は私の邪魔をするの?私はマンションの廊下に出て、隣に行く。
「美沙子さん、真夜中に何?」
「へへぇ、あのね、ベランダでタバコを吸っていたら、雅子ちゃんが独り言を大きな声でブツブツ言っているのが聞こえてさ。今晩、フランクは来てなかったし、これはフランク絡みで何かあったとこう美沙子さんは推理したんだなあ。だから、ドアの側で外の様子に耳をそばだたせていたのよ。そうしたら、ビンゴ、『どちら様でしょうか?』『雅子、僕だよ。来たよ。中にいれてよ』『外濠公園で寝てると思ってたけど?』『意地悪しないで』『ちょっと懲らしめてやる。外濠公園に戻りなさい!』なんて、雅子ちゃんが意地悪している会話が聞こえたの。だから、雅子ちゃんがロイドくんを部屋に入れないんだったら、可哀想でしょ?私の部屋に入れてもいいじゃない?知らない仲じゃないんだから。というわけ」
「美沙子さん、あなた、天岩戸ゴッコじゃないんだからね」
「あら?美沙子アメノウズメが雅子アマテラスを岩戸から誘いだしたのよ?さあさあ、ロイドくんも雅子ちゃんも私の家にお入りなさい。中立地帯なんだから。こっちの方がいいわよ?」
「美沙子さん、私、フランクにおにぎりとお味噌汁作っちゃったの・・・」
「なあんだ、怒っている振りして、実は、拗ねてるだけじゃない?じゃあ、私がそっち行っちゃダメ?お邪魔じゃなければ?私もお腹すいちゃった。お相伴にあずかれる?」
「いいわよ、フランク、お入りなさいよ。お味噌汁あたためるわよ。美沙子さんも」
ヰタ・セクスアリス - 雅子 8、P.3 リメイク
明日と思っていた話を今晩しなければいけない
十ニ時になった。明彦、まだ来ない。来てほしいし、来てほしくない。
来て欲しいのは、万里子が邪魔して、絆が途切れそうな(と勝手に自分で思い込んでいるだけなんだけど)明彦との仲をギュッと抱きしめてもらって、つなぎとめてもらいたい。って、あれ?バカップルの女と同じことをこの私が求めるのか?いいよ、いいよ、バカップルでもなんでもいいよ。明彦さえいれば。
来て欲しくないのは、明日と思っていた話を今晩しなければいけない、心の準備が出来ていないということ。だって、私が明彦の前から消え去るだなんて耐えられない。万里子がどうのという問題ではない。でも、万里子、ほくそ笑むだろうね?私が明彦の前から消え去ったら・・・いや、明彦がなんとかしてくれる・・・明彦が何とかできると思うの?雅子?大学二年生の男の子に、これがなんとかできるとでも思うの?・・・どうにもならないじゃない・・・駆け落ち?まさか。昭和枯れすすきじゃあるまいし・・・打算的で合理的な女じゃなかったの?私は?合理性を考えたら、私が明彦の前から消え去るだけなのに・・・あ~、美姫に事前に相談すれば良かったのよ、バカよ、私は。
しばらく、独り言を言っていたようだ。気が狂いそうだ。でも、彼が来たら、まずは今晩の行動をとっちめてやる。こんなに遅くまで私を心配させたんだもん。でも、その後の説明をしたら、説得力なさそうだわ。あ~、いやになる。
チャイムが鳴った。私はいつも夜はドアチェーンをかける。ドアを開けた。明彦が立ってるのがドアの隙間越しに見える。「どちら様でしょうか?」と私は意地悪する。私って、素直じゃないなあ。「雅子、ぼくだよ。来たよ。中にいれてよ」「外濠公園で寝てると思ってたけど?」「意地悪しないで」「ちょっと懲らしめてやる。外濠公園に戻りなさい!」
明彦が横を向いた。あれ?そこで横向く?ドアチェーンで二十センチぐらいしか開けないので明彦が何しているのかわからない。明彦が視界から消えちゃった。右方向に歩いて行った。あいつ、何処行ったの?慌てて、ドアを閉めて、ドアチェーンを外す。ドアを開いた。右を見回して、キョロキョロすると、明彦が美姫と話している。こんな真夜中になんで美姫がいるのよ?それも、万里子のところに寄った明彦が美姫と連れ立ってくるの?
ちょっとぉ、万里子だけじゃなくて、美姫も今晩は私の邪魔をするの?私はマンションの廊下に出て、隣に行く。
「美姫、真夜中に何?」
「へへぇ、あのね、予備校のみんなと飲みに行っちゃって、横浜までの終電、逃しちゃった。それで、雅子さんのところに泊めてもらおうと思って来たら、明彦とマンションの前でバッタリ会ったのよ。何か、明彦、バツが悪そうだけど、何かあったの?」
「美姫!飲みに行ったって、あなた、また変な男の子と・・・」
「雅子さん、違います。予備校の友だちの女の子、3人で飲みに行ったんだよ。でも、ゴメンナサイ」
「美姫、私、明彦におにぎりとお味噌汁作っちゃったの・・・」
「なあんだ、雅子さん、怒っている振りして、実は、拗ねてるだけ?可愛い!私もお腹すいちゃった。お相伴にあずかれる?」
「いいわよ、明彦、お入りなさいよ。お味噌汁あたためるわよ。美姫も」

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