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奴隷商人とその時代 Ⅱ

奴隷商人とその時代 Ⅱ

女性にとって重要な鏡。


●古代の鏡

 これも古代ローマで21世紀の鏡を想像されては困ります。あんな平板で昔は銀メッキされたガラス製の鏡など、1317年、ベニスのガラス工によって発明された。ガラスに皺のない錫箔を置き、その上に水銀を放置。1カ月ほどかけて水銀アマルガム(水銀と他の錫との合金)として密着させ、余分な水銀を洗い流すというものでした。


 ガラス鏡を日本に伝えたのは、スペイン人宣教師フランシスコ・ザビエル(1506年~1552年)。天文18年(1549)年、ザビエルは周防の大名大内善隆に対し、望遠鏡・時計・鏡(手鏡)などのヨーロッパ製の珍しい道具を贈りました。


 それまでは、鏡として、黒曜石の板状のものを磨いたり、平らな青銅を磨き上げたりしたものを使っていました。


 天照大神が天の岩戸に隠れて、天之鈿女命が八咫鏡で誘い出した、その八咫鏡は平らな青銅を磨き上げたものです。教科書などで見るのは鏡の裏側。表側は平板でした。


縄文海進と古神道、神社、天皇制(20)八咫鏡

第5章 ●奴隷商人3、紀元前47年


「せっかく入った体だから、安いよりも高い方がいいでしょ?自尊心の問題よ。まだ、鏡でよく自分を見てないけど」

「エミー、この時代、キミの考えるようなガラス鏡はないぜ。あるのは、黒曜石を磨いた石板の鏡や金属板を磨いた金属鏡だ。銅の鏡だな」

「あら!時代をよく忘れちゃうわね」

八咫鏡(やたのかがみ)、本当はどんな色?


 同じく第5章で、

 大広間は、中心に大理石のベンチの演台が設けられている。演台の上には、地中海世界の津々浦々から集められた男女の半裸の奴隷がポーズを付けて立っていた。さっき、私、じゃない、エミーと同じようだ。



 その周りを、男女のバイヤーが集っている。体を触って筋肉を調べる者、陰部に手を這わせる者。商人はビジネスライクに奴隷を試しているが、一般のバイヤーは目的が夜伽にある。男も女もフェロモンを撒き散らして、奴隷に触れている。


 アラサーの漆黒の肌をした美しいマダム(ムラーは彼女はたぶんエチオピア人だと言った)が、金髪碧眼のアディゲ人(チェルケス人)の半袖で丈が膝上までしかないリネンのチュニックをまとったティーンであろう男子の奴隷の股間をまさぐっていた。


 根本から局部の硬度を試すためにすりあげているようで、その奴隷は羞恥と心地よさに複雑な表情を浮かべていた。入荷して間もないんだよ、とムラ―が説明する。こういう場面にはこの子は慣れていなさそうだ。


「なんだ、アフロダイテじゃないか?」とアブドゥラがマダムに声をかけた。

「あら、アブドゥラの旦那。こんなところでお会いするとは恥ずかしい」と漆黒の肌のまだ色気が失せない美女のマダムが上目遣いにアブドゥラを見た。

「なんだ、おまえ、発情でもしているのか?この男の子がいちもつをおっ立てて身悶えしているじゃないか」


「いえね、夫がね、最近、若い女奴隷にばかり相手にして、私を相手にしてくれないんですよ。それで、文句を言ったら、『しょうがない、一人、買っておいで』って、アウレウス金貨を十枚くれたものですから、それでね、出物を選んでいるところなんですよ」

「アフロダイテ、目が潤んでるぞ。アラサーなのにもうエロババアの面をしている。よほど体が飢えているんだな」

「そうですよ、アブドゥラの旦那、体が疼いて疼いて」

「しょうがないなあ」


「あら?ムラー様じゃあありませんか?連れているのはコーカサスの女ですか?」

「なんだ、旦那様に初見か?ムラーの旦那、こいつは、私がアラビアから買ってきたアフロダイテです。もう4年前になるかな?ここへ私が連れてきた時は、清楚なエチオピアのお姫様だったのが、ワイン商人のムラビに売って、奴隷からなんと正妻にまでなっちまったんです。4年前は体を触られるのも恥ずかしがって嫌がったのに、今じゃあ、自分の弟の年みたいな奴隷の股間をまさぐって、目を血走らせてやがる」


「ムラーの旦那様、はじめまして。ムラビの妻のアフロダイテでございます。アブドゥラの旦那にはお世話になりましてね。私に夜伽の術を教えてくれたのもアブドゥラの旦那なんですよ」

「あの頃はお前もピチピチだったからな」

「あらいやだ、旦那、女はおぼこのティーンよりも私みたいな年の方がいいんですよ。酸いも甘いも噛み分けてますからね」

「ふ~む、まあ、女も変わるものさね」


「あら!この子のぶつがちょうどいい具合になったわ。旦那様方、失礼して試してみますわね」とアフロダイテはチュニックから腕を抜くと、奴隷のチュニックをはいで、人目もはばからず、男の子の股間に顔をうずめた。


 そこここで、ひと目もはばからず、奴隷のお試しをしている光景が周囲に散見された。男のバイヤーは陰部に指を差し入れて締りを確かめていたり。女のバイヤーは男のものを舐めたりさすったり。


 古代ローマ時代のことだから、奴隷市場などこんなものだ。ちゃんと試さないと金を捨てることになる。女の子は、持ち主の子供を孕むのだから、良い持ち物をしていて、安産型が選ばれる。男の子は、たいがい、玉抜き竿ありで宦官にされて女主人の慰みになるのだ、とムラ―が説明した。

奴隷商人とその時代 Ⅲ に続く。

シリーズ『奴隷商人』 

隷商人 Ⅰ



奴隷商人 Ⅱ



奴隷商人 Ⅲ



奴隷商人 Ⅳ



奴隷商人 Ⅴ



奴隷商人 Ⅵ



奴隷商人 Ⅶ



奴隷商人 Ⅷ



奴隷商人 Ⅸ